昭和5年に始まった世界恐慌は四日市にも暗い影を落としたが、昭和11年3月市民待望の新港が完成した。これを機に、港四日市を広く世界に紹介しようという企画が立案され、新港の竣工と同時に、11年3月25日から「国際振興四日市大博覧会」が、完成したばかりの千歳町埋め立て地5万坪を会場に開催された。世は1か月前に起きた二・二・六事件で大揺れに揺れ、陸軍の力が国策に濃厚に影響を及ぼし始めていた矢先で、博覧会はこうした世情を一時忘れさせてくれる、新鮮な出来事であった。(写真集 四日市の100年より)
これは千歳橋を渡ったところに建つ会場正門の遠景である。上空には巨大マシンが飛来している。四日市駅前をふらついていたおじいさんが、ここにも姿を現した。マシンへの搭乗を希望しているが、どうやら断られている様子である。お爺様の運命や如何に!
人の心配をよそに、不敵に笑う老人デアリマシタ。