スーパーマンを語る前に、マイティマウスの話をしなければならない。
マイティマウスはスーパーマンのネズミ版マンガといったところだ。昭和32年、不二家の提供で放送されている。日曜日の夜6時30分、当家にはまだテレビなるものがなく、友達のおもちゃ屋さんへ押しかける。テレビは店舗と居間の間の棚の上にあり、店からテレビは覗かれないようになっていた。番組が終わりに近づくと「としや!ごはんの用意できたぞ!」奥の部屋からおばあさんが呼ぶ声がする。そろそろ退散の時刻だ、明日は学校、と思うととてつもなく寂しい気分になった。テレビは他人の家で観るものと決めていた。だから、ウエルカムなところならどこへでも観に出かける。お誕生会で呼ばれた堀木君の家では、初期のテレビだったのでブラウン管が丸くて小さく高そうだった。同級生の女の子の処では、インディアンが騎兵隊への復讐のためバイ菌の付いた毛布を“とりこ”の騎兵隊に掛けると粒々が出て死に至るという恐ろしい映画だった。内山くんちでは「恐怖のミイラ」をみんなでギャーギャー叫びながら観た。辻君の家では、お互い眠気が来ていたのか「帰るな!泊まっていけ!」と駄々をこねられて逃げ帰った。
初代テレビ版のスーパーマンは、昭和31年末から始まっている。「空を見ろ!鳥だ!ジェット機だ!そうです、スーパーマンです。彼はクラークケントと名を名乗り、正義と真実を守るため、戦い続けているのです!」そこで、月光仮面に使った風呂敷は、そのままスーパーマンに使えた。テレビの中の新聞記者クラークケントは簡単に変身する。シャツの胸元をはだけると、下にはいつもスーパーマンのスーツを着用しているのだ。そして窓からワンジャンプして飛び立つ。現実は、窓の外に置いてあるマットに向かってのジャンプだから危険を伴ったと想像する。
1950's Superman vs the Flying Saucers
Adventures of Superman 1952 - 1958 Opening and Closing Theme (With Snippets) HD
かくして、テレビを見て、マンガをみて、友達と遊んで、そうして、今日一日は暮れていくのでありました。
町の酒屋さんにテレビジョンが来た!写真回想法より
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