花の四日市スワマエ商店街

表参道スワマエ商店街会長のひとり愚痴

伊勢湾台風の夜

2009年09月26日 | わたくしごと、つまり個人的なこと
伊勢湾台風が来たのは、50年前の今日でした。
四日市祭りのなか日で、お昼過ぎ、森書店で立ち読みをしていたことが思い出されます。アーケードの波板が、激しく音を立てていました。「台風が来るんや」
暗くなるにつれ風雨が強くなってきます。
名古屋から来ていた問屋さんは、電車が止まったと戻ってきました。
やがて電気が消え、外のほうが明るく見えます。お祭りに用意されていた巻き寿司を飲み込みます。
父母は店の戸を懸命に抑えています。大きく息をしている風が、押してきたり吸い込んでいったり、まるで呼吸をしているようでした。
二階のガラスが割れました。兄と問屋さんは、屋根が飛ばないように窓をふさいでいます。水が入ってきました。空の音ばかりがやけに大きく、それに比べると周辺の家屋は異様な静けさでした。
父が外から店の様子を見るとカッパをかぶって外へ出ます。「父ちゃん、大丈夫?気ぃつけて」
戻りが遅いので心配していたら、倒れた塀の下敷きになったとのことでした。自力で這い出したそうです。
家族全員の格闘の末、夜中には風がおさまりました。
翌朝はうそのように晴れ上がりました。すっかり秋の日差しです。
スーパーサンシでは、ちくわの揚げ物を実演販売していました。
「炊き出しに買ってくるわ」といったら、母親に「そんなもん、買わんでええ」と叱られました。
家の中は、片付けと掃除で大忙し。そんななか兄は友達と、海岸に外国船が打ちあがったと自転車で見に出かけました。
名古屋の問屋さんは、線路伝いに徒歩で帰りました。
後日聞いたところでは、背広を着ていたので、被害の大きかった富田あたりで、泥を投げつけられたそうです。
伊勢湾台風が通り過ぎて、半世紀が過ぎました。
コメント
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