新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

蘖(ひこばえ)

2009年04月23日 05時47分37秒 | 写真俳句・エッセー

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 私の部屋は、いつも乱雑だ。

 汚いのが好きなわけではない。整理整頓が苦手なのだ。

 そんな部屋でも、年に3度だけ整頓される。

 暮れと正月、ゴールデンウイーク、月遅れのお盆。

 息子の休暇を利用して、孫が帰ってくるからだ。

 常々は離れた地域で父娘家庭を営んでいる息子が、大型休暇を利用して帰ってくる。

 孫娘に母親がいない。生後10ヶ月のころ、病気で他界した。それ以来、私たち夫婦の頭から、孫娘の存在は離れない。

 孫は私の部屋が好きだ。自分の部屋だと思っているフシもある。息子の部屋があるのだが、そちらには行かない。

 玩具や絵本は、一括して保管し、孫がやって来れば居間に拡げる。しかし、その内の一部は、いつも私の部屋に置いてある。孫の意志だからしかたがない。

 孫が帰ってくるとなれば、私の部屋は孫の部屋同然になる。部屋の整理整頓が必要となる所以だ。

 玩具の中には、赤ちゃん時代のものがある。処分していいはずだが、カミさんも私も、捨てることができない。玩具が増えていくのは必然だ。

 子供や孫の思い出に繋がるものは、なかなか捨てられない。

 思い出を捨てることになるからだろうか。

 それとも、繋がりが薄れることへの恐れからだろうか。

 蘖(ひこばえ)や捨てるもできず玩具箱  鵯 一平

 春、樹木の根元や切り株から新しい芽が吹き出す。それを蘖(ひこばえ)という。また、「孫(ひこ)生え」ともいう。春の季語となっている。

 別館として、写真俳句ブログの「いのちの囁き」を開いております。

 ご覧いただけると嬉しいです。

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コメント (18)
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