私の部屋は、いつも乱雑だ。
汚いのが好きなわけではない。整理整頓が苦手なのだ。
そんな部屋でも、年に3度だけ整頓される。
暮れと正月、ゴールデンウイーク、月遅れのお盆。
息子の休暇を利用して、孫が帰ってくるからだ。
常々は離れた地域で父娘家庭を営んでいる息子が、大型休暇を利用して帰ってくる。
孫娘に母親がいない。生後10ヶ月のころ、病気で他界した。それ以来、私たち夫婦の頭から、孫娘の存在は離れない。
孫は私の部屋が好きだ。自分の部屋だと思っているフシもある。息子の部屋があるのだが、そちらには行かない。
玩具や絵本は、一括して保管し、孫がやって来れば居間に拡げる。しかし、その内の一部は、いつも私の部屋に置いてある。孫の意志だからしかたがない。
孫が帰ってくるとなれば、私の部屋は孫の部屋同然になる。部屋の整理整頓が必要となる所以だ。
玩具の中には、赤ちゃん時代のものがある。処分していいはずだが、カミさんも私も、捨てることができない。玩具が増えていくのは必然だ。
子供や孫の思い出に繋がるものは、なかなか捨てられない。
思い出を捨てることになるからだろうか。
それとも、繋がりが薄れることへの恐れからだろうか。
蘖(ひこばえ)や捨てるもできず玩具箱 鵯 一平
春、樹木の根元や切り株から新しい芽が吹き出す。それを蘖(ひこばえ)という。また、「孫(ひこ)生え」ともいう。春の季語となっている。
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