XTC "Skylarking" Virgin, 1986.
XTC "Skylarking:Corrected Polarity Edition" Ape, 2014.
英国ポップバンドXTCの8作目。XTCは1978年のデビュー以降、最初期のパンク、続くギターバンド然としたパワーポップ期、低迷・模索期、後期ビートルズ路線と変化するが、本作は低迷期の終焉と後期ビートルズ路線の始まりを告げる起死回生の一作として評価されている。レコーディング期間中のプロデューサーTodd RundgrenとリーダーのAndy Partridgeとの間の反目も、ファンの間でよく知られたエピソードである。
サイケデリックなものを中心に、フォーク、ストリングスをバックにしたもの等収録曲は多彩。曲によってはラウンジ音楽やジャズを取り込もうとする方向性も感じられるが、彼らの場合は「おしゃれ」にはならず、引き出しの一つという感じである。編曲スタイルは様々ながら、全体の流れがよく、最初から最後まで聴かせてしまう。彼らの他のアルバムの場合、一曲一曲を凝りすぎてくどいということがしばしばある。だが、このアルバムに限っては薄味であり聴いていて疲れない。突出した曲が無い分、アルバムの統一感が高い。
そのアルバムに、今年になって「極性修正盤」なる版が登場した。ステレオ録音の際の左右の配置の問題のようだが、ライナーによればTodd Rundgrenのスタジオで起こった間違いとのこと。確執はまだ続いているわけね。実際のところ聴いてみて極性云々の問題が解決されたかどうかはよくわからなかった。リマスタリングに限れば、初めてLPで聴いたときの内向的でスカスカした印象を覆すような、低音の効いた厚い演奏に聴こえる。また、青緑の優雅なジャケットも、バンドの意向で茶色い陰毛写真に変更されている。
極性修正盤のもう一つの小さなウリは、シングルB面曲ながら米国カレッジチャートでヒットした'Dear God'をオリジナル12曲目の'The Man Who Sailed Around His Soul'と13曲目の'Dying’の間に配置したこと。2001年のリマスター盤ではボートラ扱いだったが、今回の配置換えでアルバム全体の流れが向上した。ただし、僕が初めて聴いた日本版には未収録だったし、特に良い曲だとも思っていないので、入れなくても特に不満は無いのだが、「入れるならここでしょう」という場所に入ったということである。
このアルバムは発売当初にラジオでDJピーター・バラカンが紹介していたことを覚えている。当時僕は中学一年生であったが、ヒットチャートとはまったく無縁な良曲・良ミュージシャンがこの世に存在するということを初めて知った瞬間として思い出深い。本人たちはもっと稼ぎたかったみたいだけど。
XTC "Skylarking:Corrected Polarity Edition" Ape, 2014.
英国ポップバンドXTCの8作目。XTCは1978年のデビュー以降、最初期のパンク、続くギターバンド然としたパワーポップ期、低迷・模索期、後期ビートルズ路線と変化するが、本作は低迷期の終焉と後期ビートルズ路線の始まりを告げる起死回生の一作として評価されている。レコーディング期間中のプロデューサーTodd RundgrenとリーダーのAndy Partridgeとの間の反目も、ファンの間でよく知られたエピソードである。
サイケデリックなものを中心に、フォーク、ストリングスをバックにしたもの等収録曲は多彩。曲によってはラウンジ音楽やジャズを取り込もうとする方向性も感じられるが、彼らの場合は「おしゃれ」にはならず、引き出しの一つという感じである。編曲スタイルは様々ながら、全体の流れがよく、最初から最後まで聴かせてしまう。彼らの他のアルバムの場合、一曲一曲を凝りすぎてくどいということがしばしばある。だが、このアルバムに限っては薄味であり聴いていて疲れない。突出した曲が無い分、アルバムの統一感が高い。
そのアルバムに、今年になって「極性修正盤」なる版が登場した。ステレオ録音の際の左右の配置の問題のようだが、ライナーによればTodd Rundgrenのスタジオで起こった間違いとのこと。確執はまだ続いているわけね。実際のところ聴いてみて極性云々の問題が解決されたかどうかはよくわからなかった。リマスタリングに限れば、初めてLPで聴いたときの内向的でスカスカした印象を覆すような、低音の効いた厚い演奏に聴こえる。また、青緑の優雅なジャケットも、バンドの意向で茶色い陰毛写真に変更されている。
極性修正盤のもう一つの小さなウリは、シングルB面曲ながら米国カレッジチャートでヒットした'Dear God'をオリジナル12曲目の'The Man Who Sailed Around His Soul'と13曲目の'Dying’の間に配置したこと。2001年のリマスター盤ではボートラ扱いだったが、今回の配置換えでアルバム全体の流れが向上した。ただし、僕が初めて聴いた日本版には未収録だったし、特に良い曲だとも思っていないので、入れなくても特に不満は無いのだが、「入れるならここでしょう」という場所に入ったということである。
このアルバムは発売当初にラジオでDJピーター・バラカンが紹介していたことを覚えている。当時僕は中学一年生であったが、ヒットチャートとはまったく無縁な良曲・良ミュージシャンがこの世に存在するということを初めて知った瞬間として思い出深い。本人たちはもっと稼ぎたかったみたいだけど。
XTC ファンです。
ジョン・デンツ版が、最初に公開されたのは、
2010年です。その時には、ビニール盤EP二枚組仕様でした。
ただ、マスター・テープはなかったので、
各所にいくつか残っていたセールス・テープを使ったそうです。
「ディア・ゴッド」の位置があの位置なのは、
アメリカ版がそうだったからで、
( セールス・テープではそうなっているのでしょうから )
本来の位置ではないでしょう。
XRLプラグの間違いがどこで起こったのかは、はっきりしないし、それが取り立てて問題とも思えません。
2013年に『スルーザヒル』がビニール盤でリィシューされましたが、これが、また、プラグが逆になっているように聴こえます。
頻繁に起こる事故のようです。
『カインド・オブ・ブルー』のように、ピッチが違っていたと言うこともあるわけですから。
では、