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ガラス細工のような宅録フォーク二作品

2018-09-21 08:44:43 | 音盤ノート
Constantin Veis "Memory-La" Siesta, 2002.
Constantin Veis "presents The Glamorous Life Savers "Resurrected Elsewhere"" Zigsaw, 2014.

  癒し系ネオアコまたはフォーク。アコギにのせて中年男性が優しく歌う。なので青春は感じません。1980年代に一枚だけアルバムを残したFantastic Somethingの片割れによるソロ作品である。

  2002年の"Memory-La"はスペインのSiestaレーベルから。一人で宅録した8曲入り28分ほどの短いアルバムで、ゆったりとしてまどろむような曲が並ぶ。ギターのアルペジオはいちおう聞こえるものの、それよりもストリングス風のシンセ音が目立つ。ピアノは入るがドラムは無し(よく聴くとブラシでリズムをとっている)。暗くも重くもないし、悲しくもないのだが、楽しかった過去をしみじみと思い出すかのような感傷がある。

  2014年の長い変なタイトルの作品のほうはシアトルのZigsawレーベルから。12曲42分。こちらはストリーミングで聴ける。同じく宅録のようだが、thanks to のクレジットに数人の人名があり、演奏に協力した人物なのかもしれない。ほとんどの曲でドラムとベースが入り、シンセサイザーの使用頻度は下がっている。ボーカルも多重録音されており、美しいハーモニーが聴ける。1960年代の米国西海岸系フォークロックの趣き。どこか陽気で、"Memory-La"に比べると活き活きとしている。

  繊細なあまりコミュニケーションが苦手な人が一人でこっそり楽しんでいるような感覚がある。Fantastic Somethingの頃と比べると、齢のせいか声は低くなっていてかすれも感じられる。たいして売れてないのに12年で1枚のペースだから、本業は別にあって、音楽は副業なんだろう。次のアルバムは2026年になると予想される。
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