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著者曰く“男は変わらない。変えられるのは自分の選択だけだ”

2012-01-30 09:22:00 | 読書ノート
サンドラ・L.ブラウン『その男とつきあってはいけない!:あなたを不幸にする“危険な男”の見抜き方』江口泰子訳, 飛島新社, 2011.

  ハウトゥーものだが、軽妙なイラストによる表紙と違って中身はかなり真剣。“女性の感情や肉体を傷つけ、経済的、性的、精神的な健全性を損なう、あらゆるタイプの男”(p25)から、女性が逃れる方法を説いている。著者はカウンセラーで、20年ほど男女間の虐待の事例を扱ってきたらしい。実際、被害女性の実例が豊富である。

  著者の言う「危険な男」には、DVを振るう男や中毒者だけでなく、母親役を女性に求めるタイプや、仕事や趣味に没頭しているかまたは体目当てでそもそも相手女性との精神的なつながりに関心が無いタイプ、結婚詐欺師のようなタイプまで入る。こういう男をパートナーにもった女性の人生はボロボロになるので、どうやって彼らを見分けたら良いかをチェックリストで教えてくれる。

  だが、恋に落ちている中でつきあっている男がそうでないかを見極めるのは難しい。そこで、著者は、体の異常やわきおこるちょっとした不快な感情を「危険信号」として察知せよ、と女性たちにアドバイスする。男としては、そんな不確実なものに頼っていいのかという疑問が起こるのだが…。

  全体として、記述は経験に裏打ちされているもの、男性の分類が適切かどうかは微妙である。また、著者が挙げたような悪い男性に捕まってしまう女性の心理を詳しく知りたいところだが、そういった箇所は少ない。精神病理学的な装いはあるものの、あくまでカウンセラーによる女性向けハウトゥーである。
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