![omikitokkuri-2 omikitokkuri-2](https://blogimg.goo.ne.jp/thumbnail/45/33/81c6719890698efe5d3ba6896455a9dc_s.jpg)
★★★☆’~★★★☆:65~70点
うーーーん、全体に今ひとつだし、特に終盤がなあ・・・。
残りページが少なくなってきて、これでラストをきちんと書き込めるのか心配になってきたら、案の定、終盤はパタパタパタと解決してしまいました。一力さんの作品には最近これが多いのですが、これはいただけませんね。ラスト4ページの”とある”人物のセリフ自体は悪くないのですが、この人物については予想がついたし、「だいこん」に引き続いて尻切れトンボの感は否めませんでした。交響曲で言うと、終楽章のラストには怒濤のコーダが待ちかまえていることが多く、聴衆はいよいよコーダに突入するぞとワクワク・ドキドキするのですが、そのコーダがなくプツンと音楽が終わってしまった感じです。え?終わり?てなもんで、拍手するタイミングを逸してしまいますね。
ラストについては、「だいこん」でのコメントで書かれていた
■ゆきうさぎさん
>ほとんど終わりをはしょったような気がします。
■Rokoさん
>無理矢理終わらせちゃったのかなぁ?ってときもあるしね。
>全体的にはいい感じなのに、ラストでこけちゃうのは残念です。
がそっくりそのまま当てはまってしまいました。
新太郎、尚平、おゆき、芳三郎、源七、木兵衛・・・前作でなじみ深い人物が揃っているのだから、もうちょっと違う描き方もあったと思うのですが・・・。大のお気に入り”おゆき”もその良さが本作では殆ど表されていなかったこともあり、採点は厳しいです。65点だと、水準作以下になってしまうなあ。
新太郎とさくらは良い仲になりそうだったのに、これも消化不良。さらに続編があるのかもしれませんが、なぜここで出版しないといけなんだろう。上下2巻になっても良いから、最後まできちんと書ききってほしいものです。あっ、切り絵を使った表紙は良かったです。
一力さんは多作家で、旧作から読み進めている私など、なかなか最新作までたどりつけません。今のままでは素材は良いのに内容がやや希薄な作品が増えていきそうで不安です。私にとっては栄光の殿堂入り作家なのですが・・・。
一力はん、えらい辛口の感想でごめんやで~。せやけど、ほんま頼んまっせ~。