ひろの東本西走!?

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家なんか建てなきゃよかった(見延典子)

2005-09-21 21:53:11 | 本と雑誌
ienanka-1家なんか建てなきゃよかった(講談社)
★★★☆’:65点

家の新築やリフォームにまつわる悲喜こもごもの物語(短編集)。
家をつくるって大変なことですね。私は家を建てたことはないのですが、マンション購入やリフォームで似たようなことを経験しました。それが新築一戸建てで、しかも建築家に設計を依頼するとなると、それはもう大変!----先に書いておきますが、でも無事に望み通りの家ができたときの喜びもひとしおですよ。

著者あとがきより

  家を建てると決めた時には瞳を輝かせていた人が、家を建て終えて
  しばらくすると、ぐったり疲れきっているという様子を間々見かける。
  彼らは異口同音に呟く。
  「家なんか建てなきゃよかった」と。

この小説に深みはありませんが、思わずニヤリとするエピソードがてんこ盛り。
とくに、「窓」に出てくる建築家のセンセイが傑作。

  「(窓を)低くしたことに、特別な理由なんてありませんよ。
   強いていうなら、まあ、僕の気分みたいなものでしょうね」
  「センセイの気分?」
   洋子は二の句が継げなかった。

   家はセンセイの作品なので、現場の責任者もセンセイの許可がないと
   おいそれと施主の要望にそって変更も出来ないとのこと。

しかし、センセイも根っからの悪人ではなく、さわやかな大工の言葉にも救われる。
いやはや、家づくりは面白い。

さて、次は「それでも建てたい家」でも読むとするかな。

※今読んでいる本:
   雫井脩介「犯人に告ぐ」
   面白いです!