ロシア軍の「96時間以内にキエフ総攻撃」は無しと予想する

ロシア軍の「96時間以内にキエフ総攻撃」は無しと予想する
 米政策研究機関「戦争研究所」は7日に発表した戦況の分析で、露軍が「96時間以内にキエフへの総攻撃を開始する」可能性を指摘した。米国防総省高官は7日、ロシア軍がウクライナ周辺に集結させた15万人超の部隊のうち「ほぼ100%を投入した」と発表した。高官の発表は「戦争研究所」発表の総攻撃が真実味を増す。ロシア軍は本当に総攻撃するのだろうか。発表からすでに48時間経過した。「戦争研究所」の予測では48時間後にはロシア軍が総攻撃することになる。
 ロシア軍のキエフなどの都市への総攻撃はないと私は予想する。この予想はロシア軍が都市への民間住宅へのミサイル攻撃が始まった時からだ。・・・ミサイル攻撃を始めたのは都市に進撃して市街戦することを避けたからだ・・・と私は推測した。市街戦はミサイル、バズーカ砲など大型武器は使えなくなる。建物が防御壁になり、道路は複雑でロシア軍には迷路になる。戦場が小さくなり少数で自由に移動できる部隊が有利になる。市街戦はロシア軍には不利なのだ。ウクライナ軍の戦いぶりを体験したロシア軍は市街戦を避けることにしたのだ。市街戦を避けて都市へのミサイル攻撃をして市民に大きな被害を与えたほうが戦争は有利に展開するとロシア軍首脳は考えたはずである。
ロシア軍は都市に進撃する戦略からミサイルで都市破壊する戦術に転換したと私は推理した。私の推理からすれば「戦争研究所」が示す96時間後にミサイル攻撃は激しくなるかも知れないが、ロシア軍がキエフに進撃して総攻撃することはない。と思っている。

都市への激しいミサイル攻撃は効果があった。
都市の破壊や人的犠牲が増え続け、人道危機が深まったために、ゼレンスキー大統領は8日の声明で、ロシアが要求する中立化について、米国や欧州にロシアを加えた周辺諸国が安全の保障を確約することを条件にNATO早期加盟を断念することもあり得ると表明した。NATO加盟に熱心であったゼレンスキー大統領は激しいミサイル攻撃に屈してロシアが要求する中立化を受け入れたのである。その一方、ロシアが停戦の条件とするウクライナ南部クリミア半島領有権や、東部ドンバス地域の親ロ派独立の承認は「受け入れられない」と拒否した。ロシアとの停戦合意は実現しないだろう。
停戦合意が実現しないで戦争が続いたとしてもロシア軍が都市に進撃し市街戦になることはないと予測する。市街戦でロシア軍が勝利することはないことをロシア軍は知っているからだ。
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