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東大の推薦入試


ここのところ東大の推薦入試が話題になっております。

近年地方からの進学者が減少し、首都圏の私立中高出身者の増加を憂慮していた、東大はやはり大きく舵を切ったと言えるでしょう。

学問と研究の立場からすれば同質化は最も避けなければいけない事態であるという認識は、受験する側からはなかなか理解できないことかもしれません。

しかし、発想というのはやはりいろいろな個性から生まれてくる。例えば、慶應湘南という学校が高校で首都圏からの受験枠を作らず、全国枠という形で地方からの受験生を集めようとしているのと同じ狙いがあります。

つまり、個が個を刺激するから、ユニークな発想が生まれてくる。同質がそろえばさらに同質化が進むだけであって、そこから独自な発想は生まれてこない。

これはある意味その通りだと思います。

東大の危機感として考えれば、ついに推薦まで使わないと多様性を担保できなくなったということなのです。

以前東大が一高だったころ、4年ほど推薦が行われた時期があるそうです。(芥川龍之介もその一人だったという話を聞きました。したがって初めての推薦入試というのは事実と反すようですが。)

これから大学自体が国際競争の中にさらされていき、東大もまたどんな研究成果を出す機関なのかが問われていく以上、単に偏差値の高い生徒だけを集めることが大学の発展にプラスにはならない、と考えられているように思えます。

以前、東大の関係者からは女性と地方校出身者を何とか増やしたい、という話を聞きました。

そんなにいないの?と思ったのですが、確かに同質化が進んでいることは間違いないようです。

私の手元にある今年の前期ベスト10を見ると、

1位 開成 2位 灘 3位 麻布 4位 東京学芸大附属 5位 聖光 6位 渋谷幕張 7位 桜蔭 8位 駒場東邦 9位 栄光学園 10位 県立浦和

ということなので、何だ、Sのαか?みたいな話になってきているのでしょう。

東大がローカルな国立大学とあまり変わらない、とすればそれは大学にとっての危機感は強いでしょう。アメリカの大学は確かに費用はかかるが、その分、全寮で全国から生徒を集めている、ということを考えていると、今回の制度改革は最早がけっぷちなのだ、という認識に立った方が良いのかもしれません。

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