私は座禅をはじめた3週間は、深呼吸の要領で大きく息を吸ってから出来るだけ長く吐き、吐く息が体の中に入って行くのを実感するために、息音をたてながら真っ暗闇の中で、1時間座っておりました。
4週間目に入ってから一緒に静功を行なっていた級友から、静かにしなさいと云われてましたので、今度は一転して出来るだけ静かに、息をしているかどうかわからないぐらいに、長く吐く呼吸を行いながら、真っ暗闇の中で1時間座り続けました。
座禅を始めて2、3年経った頃だと思うのですが、胎息と云う言葉に出会いました。 具体的な呼吸法は記載されていませんでしたが、果たしてどんな呼吸法だろうかと思いながらいたところ、自分の静かな長く吐く呼吸が、呼吸をしているかどうか分からないぐrし静かでしたので、ひょっとすると息を止めて行う気の呼吸ではないかと感じ、思い切って息を止めてみたのです。
記憶ではかなり長い間息を止めることができたのですが、それを中断してまた普通の呼吸に戻ったところ、非常に息苦しさを感じたのです。
このことは後日、私たちがお母さんのお腹から生れ出て来る時に、オギャーと泣き声をあげますが、胎内での気の呼吸から肺呼吸に変わる時には、それなりの苦しさがあるのではないかと感じたのです。
私は現在、胡座を組んだりしている時や寝ている時に、長く吐く呼吸を行わず気の呼吸である胎息で静かに体内−特に脳内の、気の動きを楽しむ雰囲気があります。
時々、おでこの中心部にある天目が、気の呼吸を行なっている時があります。 天目は特別なことをイメージした時に開きます。