ひとり座禅のすすめ

自分ひとり、坐禅(靜功)を日常生活の中で取り入れていくと今までと違った感覚を覚えていく。

1時間の坐禅で脳がどのような状態になるのか

2008-08-04 15:53:44 | 座禅
 ものの本には、坐禅を行うと脳内麻薬が産出され、気持ちがよくなると書いてあります。 その書き方には、私は素直に賛成できません。

 逆腹式呼吸を行いながら、体の中へ吐く息だけに意識を集中します。 私たちには(私は分かりますが、当初は分かりませんでした)、臍下丹田がどこだか分からず、ただひたすら丹田に向けて、丹田が活性化することだけを念じて、息を吐いていきます。 

 体の中へ吐く息だけのこと意識していれば、雑念は一切沸かないはずです。 雑念が沸くのは、呼吸に意識を集中できていないからです。 吐く息だけに意識を集中できてから、45分から1時間も経つと、脳の状態がとても気持ちのよい状態になります。

 何故、気持ちがよくなるのか。 私たちの体の中に流れる気は、神経の線に沿って流れていますが、逆腹式呼吸によって入っていった宇宙の気は、体中の経穴から排出されていきますが、深化の過程で、しだいに体の中の気の流れを促進させていきます。

 神経の線が一番集中する脳にあっても、気が流れていき、脳細胞を刺激することになります。 ところが、その気の流れも、坐禅を行う時間の経過とともに、気の流れがスムーズに、滑らかになっていくのです。 その時間が45分から1時間必要ということなのです。

 座禅の初めのころは、強く硬く脳細胞を刺激し、決して気持ちがよいものではありません。 その流れが次第にゆっくり滑らかにやさしく、脳細胞を刺激してくれるようになるのです。 いわゆる至福感を感得することになるのです。 それは脳内麻薬という類のものではありません。

 脳がそのような状態になったとき、宇宙の叡智との接触も、できるのではないかと思っています。 脳がそのような状態になったときの雑念も、それをどのように考えたらよいかを、そっとサジェスチョンしてくれたりするのです。 

 私は、一人でもよいから、坐禅を通して、逆腹式呼吸を通して、そんな至福感を感得する中で、自分自身で何かをつかんでほしいと願っています。 難しい哲学的な考えは不要です。 ただひたすら坐禅。 その坐禅の中から、感得するのです。