glimi

生きること:過去と未来とエスペラントと

焼夷弾

2005-06-07 09:06:59 | Weblog
 集束焼夷弾についてはある程度の知識があったのですが、東京大空襲・戦災センターで初めてM64型のカプセルの大きさを見ました。

 集束焼夷弾とはどんな物か知らない人もおられると思いますので説明します。
 小さな焼夷弾がカプセルに沢山入っていて、投下されると数秒後にカプセルが開き、小さな焼夷弾が蜘蛛の子のようにちりじりに飛び出すのです。飛び出した焼夷弾には爆発用の信管があり、中にはナパームというゼリー状の油が入っています。また、空中でで互いににぶつかり合って爆発しないようにバランスをとる細長い麻布が付いていたそうです。ちょうど凧の足のようなものです。

 集束焼夷弾の場合、形は6角形です。蜂の巣と同じくまとめると丸に近くなるので丸いカプセルに収めることができるのです。E48集束焼夷弾は小ぶりです。M64のカプセルは長さ140センチだそうでこの実物大の模型は初めて見ました。納められている焼夷弾の長さは50cm強で、19本が一まとめにしてあり、カプセルには2段になって入っていたので、カプセル一つに38本入っていました。

 3月10日未明に東京大空襲の際におちてきた焼夷弾の数は一秒間に45本。まさに降りしきる雨のようだったそうです。

 以前横浜市の鶴見で空襲を経験した女性に話しを伺ったことがありました。彼女は坂の上近くにある防空壕から声を掛けられそこに逃げ込んだということでした。空襲が終わった時、傾斜した地形の下方は全て燃え尽されていました。そして倒れて亡くなったている人の顔はやけに白くとても不思議でしたと彼女は話していました。

 その理由がわかったのです。焼夷弾は燃える時、熱さは2000℃に達するそうです。そのため酸欠が起こりなく、亡くなった人の顔が白く見えるのだそうです。

 しかし、この爆弾がポーランドを攻撃するためにソ連が開発したこと、日本が被害を受ける以前に中国で使用していたということは始めて知りました。

 今も次々と残虐非道な爆弾が開発されています。そして死の商人達は富を集めています。いつ、私達はこの死の商人達にとどめを指すことができるのでしょうか。暗澹たる気持になりますが、平和を願うことを諦めるのは嫌ですね。


 
コメント (7)
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