オスプレイは本当に危険なのか

 今日の神奈川新聞は、米海兵隊のMV22オスプレイの県内飛来のニュースで持ち切りである。記事の基調は飛来反対であり、それは「無関心さへ懸念」と云う大きな記事タイトルに表れている。その論点はオスプレイが危険な航空機である点におかれているのだが、果たしてオスプレイは本当に危険な航空機なのだろうか。

 比較的信頼性が高いと思われるwikipediaにはこのように書かれている。少々長いが関係する部分を連載する。

----- ここから転載 -----

 在日米軍基地に配備が予定されているアメリカ海兵隊所属のMV-22[37]の10万時間当たりの平均事故率は、2012年4月11日の事故後に1.93となっている。事故前は1.12であり、いずれも米海兵隊所属の飛行機平均の2.45を大きく下回っている[38]。配備期間の短さを考慮する必要はあるものの、現在、MV-22の事故率はヘリコプターより低い(在日米軍に配備されているCH-53D(米国内配備開始:1969年)の事故率は4.15である)。

 アメリカ空軍向けの特殊作戦型であるCV-22の事故率は2012年6月15日の時点で13.47[38]であり、MV-22より事故率は高いものの、MH-53ペイブロウの十年間平均の事故率が12.34であり、CV-22の事故率が特段に高いとはいえない。また、CV-22は前述のとおり特殊作戦型であり、危険な任務につくことが多いためMV-22と比較して事故率が高いのは当然であるといえる。なお、CV-22は現在、在日米軍基地に配備される予定はない。

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 ちなみに神奈川新聞には「米海兵隊の『新型輸送機』オスプレイ」と書かれているが、V-22の初飛行は1989年、運用開始は2005年であり、初飛行からは25年、実戦配備から数えても既に9年が経過しており、双発の大型回転翼機CH-47チヌークと比べれば新しいとしても、あえて「新型」とする程新しくもない。米海兵隊としても自隊の兵士が危険にならされるような機体を実戦配備する訳はないのである。

 このV-22オスプレイが自衛隊においても早ければ2015年に配備される可能性がある。この配備については既に各地で反対運動が起きているが、一方、東京都小笠原村などでは早期の配備を求める議会決議をしている。何故小笠原村が自衛隊へのV-22オスプレイ早期配備を求めているのかと云えば、東京から1000Km南の孤島、小笠原諸島には1000Kmを飛んできた航空機が着陸できる飛行場が無いからである。小笠原で緊急手術が必要な重病人が出た場合には俊足とは云い難いUS-1&2で搬送する以外の方法はなく、より迅速な搬送のためにV-22オスプレイの配備が待たれているのである。このような自治体があることも忘れてはならない。

 V-22オスプレイの自衛隊への配備については離島防衛への迅速な対応の他、小笠原の例のような利用の仕方、また自然災害時の対応等多面的な利用が考えられる。勿論航空機である以上事故の危険性が少なくないのは事実であるが、確たる根拠もなく危険である「らしい」と主張するのではなく、より正確な情報に基づく議論が必要であることは論を待たない。政府もより正確な情報を提供し、V-22オスプレイを待望している人々がいることも考慮しながらの冷静な議論が展開されることを望みたい。

「恩田の森Now」
http://blog.goo.ne.jp/ondanomori/
昨日撮影した写真を4点掲載いたしました。暑い中にも少しずつ秋の気配が感じられるようになって来たお盆過ぎの森の様子をどうぞご覧ください。

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