「松」クラスNikkor 標準ズームのいでよ

 Nikkorとは、勿論Nikon(ニコン)のカメラ用交換レンズの名称である(ちなみに最近はこのニックネームを廃し、型番だけの味気ない名前のレンズが多い)。

 

 郷秋<Gauche>は最近の記事の中で、廉価版DSLR(デジタル方式一眼レフ)にも、より高性能な(でかつ見栄えの良い)標準ズームレンズを使うのが良いと幾度もに書いている。具体的にはAF-S 18-70mm、同16-85mm VR、同18-200mm VR(いずれもDXフォーマット用)の使用を勧めているのだが、実はAF-S 18-70mmは既に製造・販売が終了しており、中古でしか入手のチャンスがない。

 

 また、AF-S 16-85mm VR7万円程度、18-200mm VR8万円程と、D3100ボディの倍ほども高価なのが珠に傷である。43千円程度と、価格的には良さそうなAF-S 18-105mm VRがあるが、郷秋<Gauche>はこのレンズは余りお勧めしない。郷秋<Gauche>的にはNikkorレンズを、クォリティによって次の5段階に分けるのが良いと考えている。

 

超特松クラス:F2.8よりも明るいレンズで、鏡胴前部に金のリングが描かれている。キヤノンの「L」に相当する。

特松クラス:ズームレンズでもF値が全ズーム域通しで4、マウント部が金属製かつ距離指標窓を有する。

松クラス:マウント部が金属製で距離指標窓を有する。

竹クラス:マウント部がプラスチック製で、フォーカス時に鏡胴前枠が回転しないもの。

梅クラス:マウント部がプラスチック製で、フォーカス時に鏡胴前枠が回転するもの。

 

 郷秋<Gauche>的には、ニコンDSLR最廉価のD3100でも松クラス以上のレンズを使って欲しいのだが、生憎、現在このクラスに属する標準ズームレンズがないのだ。良さそうに思えるAF-S 18-105mm VRもマウント部がプラスチック製なので竹クラスである。そこで、やっぱりお勧めなのが既に廃番となったAF-S 18-70mm F3.5-4.5である。

 

このレンズはマウント部が金属製で距離指標窓を有することから松クラスに分類されるのだが、レンズマウント部に防塵防滴のためのゴム製のプロテクタが付く。このプロテクタは16-85mm VRや同18-200mm VRにも付く、上級レンズ用の装備で、F値は4固定ではないが、限りなく特松クラスに近い松クラスクなのである。

 

 さて、69日に「いつからニヤケた?」と云う記事を書いてD5100の写真を掲載したのを覚えておいでの方はおられるだろうか。実はこのD5100は息子のために買ったもので、既に郷秋<Gauche>手元にはない。息子に手渡した時には間に合わなかたのだが、数日前に入手することが出来た18-70mmを、昨日、ようやく18-55mmの代わりに付けてあげることが出来た。

 

 この松クラスレンズのお陰で、ファミリーユースなD5100も、上級者のサブカメラのような見栄えになり、更に望遠側が82mmから105mmに伸び、ボケ味も多少期待できるようになった。勿論、各種の収差、周辺光量落ち等、レンズの基本性能もそれぞれ少しずつ向上しているはずである。VRが無いのがスペック的に少々さびしいが、18-70mmと云う焦点距離からは無いならないで、ある程度テクニックでカバーできる装備である。

 

 しかしだ、松クラスクの標準ズームレンズが用意されていない今のNikkorのラインナップは大いに問題であるなぁ。レンズキット用として廉価な18-55mmは不可欠だとしても、一刻も早く松クラスで比較的廉価な、金属マウントで、かつ距離指標窓を装備した、例えば18-70mm VRを用意するべきだろうな。

 

 

と云うわけで、今日の一枚は既に廃番となり中古でしか入手できないAF-S DX 18-70mm F3.5-4.5。フォーカスリングがやけに汚いことに気付かれた方は「鋭い」。実は訳あって、実用に供することの出来ない不動のレンズなのである。トホホ。

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