A380初号機納入

 エアバスA380 第1号機が、最初の顧客であるシンガポール航空に納入された。当初の計画から約1年遅れての引渡しとなったが、全席エコノミーなら800席という、ジャンボジェット(ボーイング747)をも上回る巨人機がいよいよ就航することになった。

 シンガポール航空は、この総2階建てのA380を、個室となるスイートクラスを含め471席というゆとりのあるコンフィギュレーションとしシンガポール-シドニー間で毎日1便を運行するという。

 シンガポール-シドニーって、成田-シンガポールとほぼ同程度の距離だから、所要時間はせいぜい7時間。離陸後と着陸前の各1時間を除いたら、中5時間だ。5時間と言えば、「のぞみ」で行く東京-博多間の所要時間。5時間のなかで、ダブルベッドにもなる個室で眠り、食事もするとなると、相当忙しいんじゃないかと思うのは、貧乏根性の染み付いた郷秋<Gauche>だからだろうか。

 A380の引渡しが遅れたことで、エアバス社の経営に黄色信号が灯ったのを見てほくそ笑んだのは、新世代787でエアバス社に対抗しようとするボーイング社であるが、A380初号機納入のニュースとほぼ同時に、787の初飛行が半年程度遅れそうだとのニュースが飛び込んできた。エアバス社の経営陣は、このニュースを聞いてニンマリとしたことだろ。

 A380は同じ便数でより多くの旅客を、ゆったり贅沢に運べる。787は低燃費を生かし、運行頻度を上げて旅客の利便性を高め、また、長い航続距離を生かして、新たな航路を開拓する。両者の戦略は大きく違っているようにも見える。

 が、実はエアバス社は787対抗としてA330をベースにしたA350の開発を進めているし、ボーイング社は3クラスで450席が可能な747-8の開発を進めている。まっ、ライバルがいるということは良いことだという、例え話だな。


 今日の1枚は、例によって記事本体とは何の関係もない、常磐山査子(トキワサンザシ)。
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