福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

中心結節感染の1例

2024-04-05 | 口の中の問題

小臼歯部噛み合わせ中心部の形態が細く尖っていることがあり、中心結節と呼ばれています。
小臼歯出始めは大丈夫ですが、対咬する歯と噛んでくると、結節が折れて神経の痛み、神経が壊死することがあります。
当院では、定期健診時に中心結節を発見した場合、折れないように周囲を歯科用セメント(グラスアイオノマー)でサポートします。
中心結節は、ゆっくりすり減っていけば、年齢とともに象牙質が厚くなったり、第2象牙質が形成されることで神経は守られます。



この患者さんは初診で、右下第2小臼歯の中心結節が折れて感染、痛みが出ています。
セカンドオピニオンで当院受診され、診査説明後に治療することになりました。
出て早々に折れることが多いので、根の部分は未完成で、象牙質が薄く神経部分が大きい状況です。
処置は、アペシフィキケーションとかリバスキュラリゼーションと呼ばれています。
感染の状況にもよりますが、根の先の部分のダメージが小さければ、部分的に神経が復活します。
逆の場合、根の部分は閉じますが、長くなることは期待できません。



水酸化カルシウム系ペーストで根の部分を満たします。
数か月おきに、ペーストを入れ替えながら、根の先や周囲骨の回復を観察します。



初診から1年2か月。
周囲骨が回復し、根の先が閉じて伸びも限界と判断しました。
右隣の第2小臼歯の根の長さとほぼ同じです。
最終的な根管充填と修復を行いました。
結果から判断するに、根の先部分のダメージは中程度だったと思われます。
根管が寸胴状ですが、最近一般的になってきたシングルポイント根管充填を選択すれば、良好に充填できます。
象牙質は厚くならないのは、形成途中の神経の処置なのでいたしかたありません。
当院で定期健診の患者さんでも、しばらく受診が途絶えている時期に、中心結節破折?という例があります。
小臼歯部出始めで中心結節を発見したら、上記のような例にならないため、早めに歯科受診をしましょう。



ふたつき子ども歯科  http://fc-dental.jp.net

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