当院での中高生の全体矯正治療では、抜歯が必要になる例が多く、矯正専門医でも同じです。
この患者さんは、大学進学したばかりで、上の前歯の出っ歯感が大きい状況です。
斜め横からだと程々出っ張っていますが、歯型で横から観察すると出っ張り度は重症です。
同じ出っ張っている状況でも、奥歯の前後的噛み合わせ状態は様々です。
①いわゆる出っ歯系の噛み合わせで、上下顎の前後的問題がある場合
②前後的噛み合わせはOKだが、歯のサイズが大きいまたは歯並び幅が小さく、前歯が外側傾斜して並んでいる場合
③反対咬合系の前後的噛み合わせで、下顎が前方だが、上の前歯が前傾して逆に噛んでいない場合
もちろん上記が軽度の場合は抜歯なしの計画で行けますが、それぞれ抜歯部位と本数が異なります。
上下とも歯並び幅が小さいタイプですが、特に下の歯並びは側方に拡大できません。
この患者さんは中程度の出っ歯系噛み合わせで、上記の①②のミックスです。
上の左右第1小臼歯抜歯で、そのスペースで上の奥歯部分は若干前方移動させ、多くは前歯を引っ込めるのに使います。
前後的噛み合わせと、上下顎の大きさはほぼシンクロしますので、この患者さんは下顎が相対的に小さい状況です。
なので下の歯並びは抜歯しませんが、綺麗に並ぶと、下前歯は若干外側傾斜して上の前歯と噛むことになります。
ふたつき子ども歯科 http://fc-dental.jp.net