乳歯の虫歯で予防が難しいのが、奥歯の間に発生するもの。4歳から6歳頃の時期ができやすい時期です。
歯間で進む虫歯は結構大きくなるまで気づきにくいし、家庭でのフッ素使用やフロス使用が必須です。ぱっと見て歯が欠けているとか穴があいているのが発見された場合、中では何倍も広がっているのが普通です。
健診では、歯間部はまずはワックスなしフロスでざらつき感がないかチェックします。ざらつきあったり、フロスが毛羽立つようでしたら、歯間虫歯が疑われます。その際はX線を撮影して判定します。
これは昨年11月虫歯疑いでX線を撮ったもの。乳歯奥歯間に少し欠けたような像が見られます。
歯間は直接は探れないので明言できませんが、黒っぽいイコール穴ではなく、エナメル質の脱灰でX線が透過しやすくなっていると理解して下さい。
たとえ穴であっても、通常この程度でしたら予防できます。虫歯の進行抑制材(フッ化ジアンミン銀)をフロスで塗布したり、家庭でのフロスやフッ素ジェルの使用を励行してもらうということです。
同じような虫歯でも虫歯リスクの違いで、経過は異なります。
7か月後、基本的には進行しておらず、引き続き経過観察でOKです。
同日で反対側の虫歯も疑われましたので、X線検査。
左右対称的に、同じような虫歯があります。こちら側がやや大きいとは思いますが、反対側の予防実績を考えるとこちらも経過観察とします。
乳歯や出て間もない永久歯は虫歯進行が早いといわれますが、個人差があります。いわゆる成人ですと、平均的にはもっと進行はゆっくりしています。
患者さんの虫歯リスクや日常のケアを評価して、定期的に経過を観て評価することで、削らない歯科が実現します。
昔はこのような時間軸、リスク評価とその改善などを含めたカリオロジーは一般的ではありませんでしたので、歯科医側はさっさと削って解決、と考えていたと思います。
わたくし的には、少なくとも21世紀ではこのような考え方、流れにしていますので、いまだに削るのが好きな歯科医は20世紀の歯科医と呼びたくなります。
そろそろその辺は卒業してもらいたいものです。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam