永久歯の小臼歯、特に前から5番目の第2小臼歯が多いのですが、下の写真のようにかみ合わせ部分の真ん中付近が尖ったような歯の形が見られることがあります。
これは中心結節と呼ばれていて、ちょっと注意が必要です。
この結節に一致して、歯の中の神経部分も尖っていることがあります。そのような場合で、上下の歯がかみ合うことで、この結節が折れることがあります。
出始めの時期に気づけば、結節周囲をサポートするような材料を使用して、破折を予防します。
本人が気づかないうちに折れたり、折れても痛みが出ない場合、放置されていることがあります。
ところが、実際は折れたところから慢性的に感染して、しばらく時間がたってから痛み、歯茎の腫れが発生することがあります。
これは最初の写真とは異なる患者さんですが、最近歯茎の腫れが出てきたそうです。痛みは強くなく違和感程度。
この患者さんも中心結節があるのは認識していましたが、あまり尖ってなく軽度でしたのでそのまま経過観察していました。
上の歯並びのみの矯正治療後、久しぶりに来院したところ、症状を発見。
X線写真を撮ると、右から2番目、第2小臼歯の根の部分に黒っぽい透過像がみられますね。
これは神経が死んで根の部分が悪くなったときに認められる所見です。分かりやすく言うと、根の先の方から歯周病になっています。
根の治療をすることで腫れはおさまりますが、骨レベルの炎症像は数か月単位で観ていく必要があります。根の中の炎症物質を取り除き、骨の再生を促す薬を入れて経過を観ます。炎症像が治癒して初めて通常の方法で根の治療が終了します。回数が多く必要ではありませんが、期間が必要です。
振り返ってみると、当院初診の時点で、すでに中心結節が折れていたのかも知れません。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam