最近はPMTC(professional mechanical tooth cleaning)、という言葉が随分認知されるようになりました。専門家による機械的な歯の清掃、と訳されます。
患者さんにとっては、歯の着色やすみずみの歯垢が除去されすっきり気持ちいいというのが皆さんの感想です。歯科的にも歯周病や虫歯の原因になる歯の被膜、バイオフィルムが除去されるので、虫歯や歯周病のリスクが減少します。
もちろん家庭での毎日のケアは大切で基本ですが、PMTCを定期的に受けることで良い状態を保つことができますので、年齢に関わらず受けることは有益です。
PMTCは効率よく確実に行うことが重要なので、どのような器具や材料を、どのような手順で使って行うかがプロの腕の見せ所です。
このPMTCに使っているなかなか優れたクリーニングペーストがあって、最近そのメーカーからPMTCのテクニックを解説したDVDが出ました。早速オーダーしたところ届きました。
クリーニングジェルというPMTCペーストですが、着色や歯垢の除去を素早く、かつ歯面を傷つけず行えるので重宝しています。
メーカーのコマーシャルみたいですが、なかなか有用なんです。
皆で学んで、さらに進化させたいと思います。
話かわって、日曜から4日間、社員旅行でバンコクに行ってきます。また楽しく働けるように、皆で楽しんでエネルギーをリチャージして来ます。
このメンバーだと、笑えるエピソードがいっぱいの旅になりそうです。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam
近々、歯科矯正治療を始める患者さん。
わたくし的には、矯正治療をしなきゃね、という基準は緩いのですが、上下の歯が噛みあっていないとか歯並びのデコボコが著しい患者さんでは、やはり治療を奨めます。
前歯で食物を噛んで取り入れ、奥歯ですりつぶすという基本的機能に問題があったり、虫歯や歯周病のリスクがずっと続きます。
この患者さんは、そのような典型です。
まず上前歯のデコボコがあって歯の生え際や、重なった部分の歯垢が目立ちます。
下もデコボコで、いかにも歯磨きに苦労しそう。
前歯が出っ張って、かつ下の奥歯は内側に倒れていて、一応は噛めますが、せっかくの歯が機能していないと思われます。
この患者さんは上の両側第1小臼歯は便宜的に抜歯する予定です。下の歯並びもデコボコですが、上の歯と良好に噛みあうように幅や前後的な拡大を行うと診断・計画しています。
よく、歯を抜いて大丈夫ですか? と保護者の方から尋ねられたりしますが、このような不具合を改善するので、ベストではないけれどもベターには間違いないとお答えしています。
この患者さんは1年半~2年の治療期間が必要で、保護者の方もその間の虫歯発生を気にされていました。現状としても虫歯リスクは高いが、矯正装置による虫歯リスクも当然高くなります。
しかしながら、治療期間中はほば毎月来院することになります。これは口腔衛生について患者さんのモチベーションを高めるチャンスでもあります。
この期間を逆に利用して、矯正治療後にリスクを減らすためのスタートとも考えることができます。そのように導くのは、ある種、歯科医&歯科衛生士の勝負でもあります。虫歯が出来たら私たちの負け、ということです。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam