福岡市の小児歯科・矯正歯科・障害者歯科 ふたつき子ども歯科 院長日記

小児(障害児を含みます)の包括的歯科医療を提供するふたつき子ども歯科。子育てや食のことも含んだ、院長ブログ。

口呼吸と噛み合わせ

2015-04-30 | 歯並び、矯正の話

いわゆる出っ歯系の人は、もともとそういう上下顎アンバランスな骨格が原因という場合はもちろんあります。
また、鼻疾患で鼻づまりが日常化していると、口呼吸になって口が開いた状態が普通となります。この場合、上唇の緊張が弱く厚ぼったい唇になります。
上唇が弱いので、舌圧などとのバランスが崩れ、歯の前方傾斜、それに伴って上下の歯が伸び出して噛み合わせが深くなります。また下顎が後退してより出っ歯に見えることもあります。このような噛み合わせになると、下唇を噛む咬唇癖というのが誘発されることも多々あって、より状態が悪化します。
悪い循環ができてしまうと、いうことになります。また鼻疾患というのはなかなか治癒しないという悩ましさがありますね。






この患者さんもそのような一人。





上の歯並びも気になるところですが、その治療は難しいものではありません。





まだ奥歯の噛み合わせがあまりズレていませんので、噛みあわせを浅く改善し、上下の歯列形態の調和を良くし、顎の前後的ズレを若干改善すれば治療終了です。
問題はその後で、治癒後の安定です。口は閉じやすくなるものの口呼吸は続くと思われますので、歯の出っ張りや噛み合わせの深さについてはある程度の後戻りがあるだろうということです。
もちろん治療の価値、効果はありますが、限界があるということも知っていて欲しいと思います。
模型上で歯を並べるのではなく、飽くまでも生体内で舌、唇、口腔周囲筋、などに囲まれたところに歯が位置しているということなんです。







ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam

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