幼稚園で友人とぶつかって上の前歯部分を打撲した患者さんが来院しました。歯ぐきからの出血は若干見られましたが、あまりグラグラはしていませんでしたので、X線で根が折れていないかチェックしました。そこで3つの発見。
まずは、乳歯の根は折れていないので、外傷の影響は小さいと判断されそのまま固定せずに経過観察でOKということ。2番目は、乳歯の根が早めに溶けていて永久歯はまだ高い位置にあるのに短くなっているということ。3番目は高さ的に乳歯と永久歯の中間ぐらいに、余計な歯、すなわち過剰歯が埋まっているということです。
乳歯の根が早く細っていたり短くなっているのは過去の外傷、指しゃぶり、歯ぎしりなどが原因と考えられますが、この患者さんの場合、過去にも外傷歴があるとのことでした。根は短くなっていますが、周囲の骨の状態はOKで歯の変色もないので現時点では歯の神経血管は健全と判断されます。
過剰歯は上の真ん中部分に見られることが圧倒的に多く、方向や位置、形態によっては永久歯が出にくくなったり、出る方向が不良になります。この患者さんの場合は、当面は経過観察で良いでしょうが、いずれ抜歯するのが無難ではあります。現在は埋まった状態ですが、歯の方向的に下向きですので、そのうち自然に出てくると抜歯は容易にはなります。
ですから過剰歯が問題になるのは、上の永久歯前歯が生かわる7、8歳くらいになる時期ですが、このように外傷や虫歯でX線写真を撮った時に発見されることが多いように思います。
ふたつき子ども歯科 http://www3.coara.or.jp/~futam/