goo blog サービス終了のお知らせ 

漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

耳鳴り対策を再考できた

2024-09-02 | 漢方的話題
耳鳴りは治らないと言われていて、病院に受診しても、聴力低下の検査は受けることができますが、それも耳鳴りもこれと言って薬がないのが実情です。

先日、中国の耳鼻咽喉科専門医師による講義を受け(この頃はZoomで便利だ)、耳鳴り対策を再考察する機会を得ました。
静かな谷津干潟、台風の影響で曇天時々雨

通常、五行学説では「腎は耳に開竅す」で、まず腎虚を考えます。
確かに年をとると(腎虚)、耳鳴りを訴えることが多くなります。
そして腎虚の症状が明らかな人は、補腎剤を続けて体がしっかり建て直されると、その結果、耳鳴りも驚くほど改善するのです。

この「体がしっかり建て直されると、その結果」というところがキーポイントでした。

耳鳴りの発症原因に、ストレスや、蓄積疲労や、不眠が絡んでいると、補腎剤だけでは効果が上がらず、たとえば漢方相談して「まずはそのイライラ状態を何とかしましょう」と理気剤や補気剤を服用してもらうと、体がリラックスして、耳鳴りが気にならなくなることがままあったのです。

つまり耳鳴りは、体調が傾いてきている警告信号であり、その体調を明らかにし「体をしっかり建て直せば、その結果」警告信号である耳鳴りは止まるというわけです。
ぜひよくご相談くださり、耳鳴り改善を目指してください。


しんと静かな干潟に、声が聞こえてきたと思ったら群れがやってきました(メダイチドリ)
こちらはトウネン。水鳥も水浴びする(笑)

漢方家ファインエンドー薬局フェイスブック いいねクリックどうぞよろしく 


血虚を対策:不眠が改善し目のクマがとれた

2023-11-15 | 気持ち・眠り
冷え性体質もいくつかあって、眠りが浅いという症状を伴っている場合は「血虚」のことが多いです。

1か月漢方対策された女性のこと。
初回:不眠、冷え性の訴え。
肌がくすみ、目のクマもくっきりわかる顔色。
目のクマは、末梢血流がよくない状態の現れで、この方は血虚血瘀の体質のようです。

補血活血の漢方対策を始めて1か月:
漢方の服用は初めてでしたので、気になることがあればすぐに相談いただきました。
途中、不眠対策として、頓服的に酸棗仁湯を加えましたが、その後眠りの質が徐々に改善し、ここ数日は、朝までぐっすり眠れているとのこと。
お顔をみれば、顔色が明るく目の下のクマもすっかりなくなっていました。
気血が補われ末梢血流がよくなったおかげでしょう。
引き続き漢方対策を継続しています。

「虚」を補うのは、数か月またはそれ以上かかることもありますが、体が充実してくると、他の様々な症状も自身で対処できるようになります。


この頃、増えてきたツグミ。シベリアなどから海を渡ってやってくる冬鳥
こんな小さな体で飛んでくるなんて、鳥の体ってすごいですね。

漢方家ファインエンドー薬局フェイスブック いいねクリックどうぞよろしく 

夜型生活者に多い陰虚:睡眠は陰の充電

2023-05-31 | 気持ち・眠り
陰虚とは、体の「潤い」が不足していること。
それは体を満たしている液状の栄養分みたいなもの(津液、血、精)でしょうか。
なので水を飲んでも解消されません。

朝は睡眠によって充電されているのですが、夕方から夜になると消耗して、頬がほてったり、手足が煩わしく熱く感じたりしがちです。
いわゆる「空焚き」のような症状ですが、陰虚の人はこの症状が強く現れます。

・陰虚で現れやすい症状
皮膚が乾燥しやすい
のどや口が渇く、唇が荒れやすい、鼻が乾く、目が乾燥する
ほてり、熱っぽさを感じる
尿量が少ない
寝汗をよくかく
月経周期が短め
夜、手足の裏がほてる
不眠
高尾山で見つけたイナモリソウ。緑深い山道を行くのは陰を補うのに最適ですね。疲れたら山がおすすめ。

・対策:睡眠を十分にとる
夜は陰の時間なので、この時にしっかり寝て充電するのが一番です。
夕方からはのんびり過ごし、早寝早起き生活をします
辛いものは避けたほうが良いでしょう

夜型生活の人は、無意識のうちに陰虚に陥りその結果、不眠、煩躁(じっとしていられない、胸が騒いで、手足に熱がこもる)、じっとしていられないのでよく動くわりにすぐ疲れる、などの悪循環に陥っていることがあります。

ずっと昔から夜型生活だ!という方は無理やり夜寝ることもないかもしれませんが、疲労をため込まないよう時間に余裕のある時はがっちり寝てください。

先日いらした方のこと。
不眠と不安緊張感が強いということで、漢方対策で症状は軽減していたのですが、さらにこの4月から朝は5時前に起きなければならない生活に変わり、おかげで夜はぐっすり眠れるようになったそうで、気持ちも落ち着いてきました。


漢方家ファインエンドー薬局フェイスブック いいねクリックどうぞよろしく 


春の不眠は酸棗仁湯か

2023-04-11 | 気持ち・眠り
春は「肝」の季節なので春の不眠は「酸棗仁湯」といわれる。

肝の陰血が消耗すると虚火が生じて、煩躁、不眠、多夢、よく目が覚める、動悸、寝汗、頭のふらつき、めまい、口やのどの渇きなどが現れやすい。

陰血を消耗するのは、目の使い過ぎや、不規則な生活、忙しい仕事などで、気づかぬうちに疲労蓄積することだ。おまけに春は頭に血が上ってイライラしやすい。その結果、いざ寝ようとすると深い眠りが得られない。

酸棗仁湯で喜ばれた例としては、海外旅行で十分な睡眠がとれず、やっと帰り着いたのに不眠状態が続いているという若者で、2,3日分でとても良く効いた。また、ふだん帰脾湯を服用し、酸棗仁湯を頓服するととても調子がよいという人もいた。
更年期が絡んでいるなら二至丸、気持ちがそわそわして落ち着かないならミンハオなどのミネラル類と組み合わせるのもよいかと思う。
よい睡眠は元気な体づくりの第一歩だ。
クマガイソウが咲きそろいました
これはジロボウエンゴサク
眩しすぎる陽ざしを避けて、日陰の小道を静かに散歩するのも、消耗した体には良いかもしれません。




この頃しばしば目が覚める・心腎不交の不眠

2023-03-18 | 気持ち・眠り
このところ睡眠障害の訴えが増え、漢方お馴染みさんには「天王補心丹」を飲んだら落ち着いたという声をいくつかいただきました。この漢方薬は心腎不交状態を改善します。


(御伊勢公園のサクラはまだ蕾。レンギョウはよく咲いています)
立冬以降、自然界は陽気が増して、春分ごろには一機に陽気が優勢になります。これにしっかり体を同調させておくことが必要なのですが、今年は桜の開花も驚くほど早く、これまで寒さが厳しかったはずなのに反動で暖かさがすごいですよね。
すると、陽気が頭に上ってこれを上手に冷ますことができなくなることがあります。頭は興奮しっぱなしになるので、眠りが浅くなったり脳が休まらず全然眠気が起こらなかったりもします。

心火を腎水で落ち着かせることができなくなる「心腎不交」状態です。
腎陰虚のひとつで、ストレス、脳が疲れている、不安感、動悸、息切れ、のぼせ、寝汗、口が渇く、便秘気味などの症状を伴うこともあります。

もともと腎虚の人は、この陽気で発症しやすいのかもしれません。
また、更年期、自律神経失調症、甲状腺機能亢進、副腎疲労症候群、ノイローゼやうつ、脳が疲労している受験生やストレスが多い方にしばしば心腎不交状態が見られます。
また、カルシウムなどミネラルの多いものを食べるよう心がけることも大事です。

漢方家ファインエンドー薬局フェイスブック いいねクリックどうぞよろしく 

体の十年周期と五臓

2022-11-28 | 老化・血流
10代 よく走る
20代 速く歩く
30代 歩き方が力強く、体がしっかりしている
40代 座りたがるようになり、肌のシワやシミ、白髪が出始める
50代 視力低下 老眼が気になる
60代 眠ることを好み、憂鬱になりやすい
70代 皮膚が乾燥する
80代 声が弱弱しく、話しにくくなる
90代 体全体が弱くなる

このような変化を知っていると、年齢を重ねて多少の不具合が現れても養生法がわかるので、むやみに心配しなくてもよくなりますね。反対に成長期は、速く走り力強く歩ける体にするために、積極的に運動することが必要です。

40代からまず気血津液が不足気味になるので、ストレス解消を心がけ、休息も十分にとるようにします。
50代になると「肝」の働きが低下し精血も不足しがちなので、無理を重ねないようにします。睡眠時間を確保することです。
60代では「心」の働きが低下すると言われ精神的に弱くなりがちで、不眠を訴えることも多くなります。運動や趣味などで気分転換を心がけるようにします。
70代では「脾胃」の機能が弱るので、火を通したものをよく噛んで食べるようにします。
80代になると「肺」の機能が落ち免疫力が低下します。食材では白いもの粘りのあるものが肺によいといわれます。
90代は「腎」の弱りが顕著になります。脾胃(胃腸)を健康に保ち、少量ずつ美味しいものを楽しみ、心地よく過ごすことです。
会話、笑い、趣味、散歩で気分よく過ごします。
昨日の谷津干潟、カワウの群れがたくさんやってきました

冬は漢方「補腎剤」で養生する

2022-11-10 | 冬の養生法
冬は「腎」を養う季節。
「腎」=「生命力」、冬を上手に過ごすことは生涯において大切なことです。
腎が弱っていることを「腎虚」といい、生命力、免疫力、自然治癒力が低下し、精力減退、足腰のだるさ、疲れやすい、病気になりやすい、骨や歯がもろい、健忘、耳鳴り、難聴などの症状が気になるようになります。

腎を補う漢方薬(補腎剤)で日本でポピュラーなものは、六味丸とそれに加味した八味地黄丸、杞菊地黄丸、麦味地黄丸(八仙丸)、知柏地黄丸(瀉火補腎丸)があります。

目立った症状がなくても、特に壮年老年代の人は、冬だけでも漢方薬「補腎剤」を活用して養生するとよいでしょう。

どれを飲むかについては、体質が大まかに2つ(陽虚、陰虚)あるので、
自身がどちらのタイプか知っておくといいですね。
陽虚:(温める力が不足している)冷え、寒がり、むくみ、夜間頻尿
陰虚:(潤いが不足して熱がこもりやすい)手足のほてり、のぼせ、寝汗、イライラ、不眠、目が渇く

ただし、年齢とともに腎精は不足気味になるので、動物薬も欲しいのですが、

筆頭は、スッポンと鹿の角です。なかなか食事で補うのが難しいところです。

早起きで不眠解消、早寝で脳の働き正常化・セロトニン、メラトニンの話

2022-11-02 | 気持ち・眠り
自分のことですが、年とともに?中途覚醒するようになり、たまには朝までぐっすり眠てみたいと、試しに「酸棗仁湯」を飲んでみたら、あっさり朝まで眠れて、漢方ってすごい!といまさらながら感心しました。
早めに漢方で微調整すれば、不眠の泥沼にはまらずに済みそうですよ。


さて、睡眠に関しては、寝る時間が短いと脳内にアミロイドβが溜まり認知症を発症しやすくなるのではないかという論文があります。
そして中医学では「睡眠は天然の補腎剤」と言われます。
「腎」とは生命力、つまりは老化予防の要。脳の働きにも関連しています。

不眠は解消しておきたいですね。

中医学的不眠のタイプはいくつかありますので、よくご相談ください。

ついでに、メラトニン、セロトニンというホルモンの話。
昼のホルモン「セロトニン」は幸せホルモンともいわれ、気持ちの安定をもたらし、日中を活動的過ごさせてくれます。朝日に当ったり、リズム運動などによっても分泌が増えるそうです。
一方、夜のホルモン「メラトニン」は睡眠を充実させたり、体のあちこちに存在して抗酸化の働きを担っているのですが、これはセロトニンを原料としています。

ということは、1日を元気に過ごす第一歩は、朝早く起きて陽ざしを感じることですね。
早寝早起きは三文の徳、とはよく言ったものです。


不眠のタイプ:「自分でできる!熟睡脳のコツ」より

2022-09-22 | 気持ち・眠り
あなたはどのタイプかな?
1,肝鬱化火:ストレス、興奮しやすい、イライラ、血圧高め、のどの渇き、口臭
2,痰熱擾心:口の中がねばつく、痰やつばが多い、舌苔が厚い
3,気血不足:血色が悪く疲れやすい、食欲がない、うつ気味、倦怠感
4,陰虚火旺:冷えのぼせ、ホットフラッシュ、不安感、動悸

おすすめ食材をご紹介
1,苦いもの(セロリ、緑茶、ミントなど)。辛いものは避けて。
2,お腹に優しいスープ類(ハトムギ、海藻類など)。暴飲暴食禁止。
3,栄養をしっかり補う(鶏肉、卵、魚、キノコ、豆、イモ、カボチャ、穀類、ほうれん草、小松菜、実や種のもの)
4,潤い成分を補う(カキ、イカ、スッポン、ナマコ、貝類など、クコの実、桑の実、山芋、黒豆など)

紫蘇の花穂が伸びてきていました。香りを持つ食材も、気分が軽くなっておすすめ。

睡眠導入剤を使うのは悪いことではないけれど、食事や漢方それに指圧や呼吸法や適度の運動で体調を整えて、眠る体力をつけることは、やってほしいなあ。
漢方薬もタイプによって使えるものが異なりますのでご相談ください。
冊子チャイナビューにも紹介されていた本「自分でできる!熟睡脳のコツ」酒谷薫著


猛暑後の不眠にたとえば帰脾湯(心脾顆粒)と気持ちの安定

2022-09-03 | 気持ち・眠り

このところ食欲がない、さっぱりしたものしか食べていない、排便不定期で便秘気味だったり下痢気味だったりする、などは胃腸の夏バテと言えるでしょう。

この状態が続くと心の気血も弱って、動悸、不眠、倦怠感、めまい、精神疲労などの症状が現れることがあります。

そんなときは、胃腸を元気にする漢方対策で気血を充足すると心神の安定が回復できます


 
服用している方には、気持ちが元気になる、朝すっきり起きられるなどと言われます。

ストレスなどにより不安、敏感、驚きやすい、動悸などがある場合は、交感神経の興奮がおさまらない状況で、「重鎮安神」の鉱物や貝殻などミネラルを補うとよいと言われます。生薬では、琥珀、牡蠣殻、真珠、真珠貝、竜骨(化石)などを用います。
エビカニ類、貝類、小魚など海のものを、まめに食べるようにしてみてください。


猛暑後の不眠にたとえば黄連阿膠湯

2022-08-31 | 気持ち・眠り

明日から9月。頑張らなければならないのに、猛暑の疲労が蓄積してるし、眠りは浅い、気持ちに余裕がないし、おまけに肌はシワシワ、カサカサしてかゆい・・・

そんな時には、滋養して潤いを補いながら、ほてりを冷ます漢方がおすすめ。

たとえば黄連阿膠湯。

(効能・効果:冷えやすくのぼせ気味で胸苦しく不眠の傾向のあるものの次の諸症:かさかさした湿疹・皮膚炎、皮膚のかゆみ、不眠症、鼻血)

効能・効果が、不眠と皮膚トラブルって、西洋医学的につながりがない症状ですよね。しかし、何千年もの経験を重ねた中医学によれば、夏の消耗などによる栄養不足は、心と皮膚に現れやすいのです。

からだの全体で、原因と症状を考える中医学。とても理にかなっているし、対策も体にやさしいと思います。

スキンケア対策では、以下もご参考に。

猛暑で肌も干からびる・スキンケアと補陰 - 漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

猛暑で肌も干からびる・スキンケアと補陰 - 漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

外に立つだけでどっと汗がでて、室内では冷房の風に当たりっぱなし。さすがに人の体も干からびます。アスファルトのミミズをふと思い出してしまいました(-_-;)実際、夏の後...

goo blog

 

漢方家ファインエンドー薬局HP
漢方家ファインエンドー薬局フェイスブック いいねクリックどうぞよろしく 


女性の動悸、不安感を漢方対策、血虚を補って心の安定

2022-03-04 | 気持ち・眠り

数か月前から動悸や不安感に襲われるという中年女性のご相談。体質を伺ってみると、

血虚」症状が顕著だったので補血の漢方を中心に服用していただいたところ、

「気持ちが安らぎ、ひどかった抜け毛もおさまり、元気になってきた」と喜んでいただきました。

西洋医学なら精神安定剤などで対応するところでしょうが、中医学では体全体をみてどこかに過不足がないかと調べます。偏りがあると自律神経も安定を保てないのです。

血虚だと神経系統も栄養不足に陥るので、不眠、眠りが浅い、夢をよく見る、不安感などといった症状が現れがちです。

女性は生理によって気づかぬうちに血虚に陥りやすいので、普段から補血の漢方薬で対策しているといつも元気に過ごせることでしょう。

漢方家ファインエンドー薬局HP
漢方家ファインエンドー薬局フェイスブック いいねクリックどうぞよろしく 

 


今年お勧めする機会が多かった帰脾湯、天王補心丹

2021-12-29 | 暦・季節ごとの養生法

コロナ不安が2年も続いて、漢方相談の現場でも不安感、動悸、不眠などを訴える人が増えたように思います。

それらを対策すべく、よく用いた処方は、帰脾湯(心脾顆粒)や天王補心丹などでした。

帰脾湯は心脾両虚、天王補心丹は心腎不交を対策する処方です。

これらを構成している生薬は、比較的身近な草木に過ぎませんが、服用していると気持ちが落ち着き寝つきもよくなり、その結果慢性疲労が解消して元気になってくださいました。

つくづく、人は毎日の食べ物で、明日の体を作っているのだなあと思います。

不快症状に陥ったら、無理せず体が必要としている食べ物=生薬が、バランスよく配合された漢方薬を利用して、早めに体調を整えてくださいね。

年内12/31まで営業、1/1~1/3は休業します。

地元の西印旛沼です。日差しに照らされる景色を眺めると、緊張がほぐれ元気が湧きます。

冬至を過ぎ日々、陰極まった中から陽が増しています。

戸外へ出て日差しを体に取り入れ、陽気を増やしましょう。


冬至にまつわる漢方処方「二至丸」肝腎陰虚

2021-12-21 | 婦人科・嚢腫・筋腫・更年期

明日は冬至。そこで冬至と夏至にまつわる処方「二至丸」について

冬至のころに熟すトウネズミモチの実「女貞子(じょていし)」と、夏至のころに育つタカサブロウおよびアメリカタカサブロウの全草「旱蓮草(かんれんそう)」を配合しているので「二至」の名があり、肝腎陰虚状態を滋腎養肝して、烏髪明目に用いられます。

肝腎陰虚つまり肝腎の精血が不足すると、膝や腰が弱り、頭がふらついたり、目のかすみや不眠多夢、早期の白髪などが起こりがち。

肝腎陰虚は女性の更年期ごろに陥りやすい状態で、のぼせ、ほてり、イライラ、眠りが浅い、など微妙な更年期症状を、二至丸は穏やかに滋陰して改善してくれるので、中国の婦人科でも頻繁にこの処方が利用されます。女性の老化予防対策にサプリ的に利用するのもいいかもしれませんね。

そのトウネズミモチは案外身近にあり、今頃は上の写真のように黒い実をどっさりつけているのを見ることができます。熟した実は少し苦いがほんのり甘いそうです。

漢方家ファインエンドー薬局HP
漢方家ファインエンドー薬局フェイスブック いいねクリックどうぞよろしく 


男性も更年期 腎虚の指標は排尿、耳、脳、足腰、生殖、髪

2021-12-16 | 老化・血流

40歳を過ぎるころから男性ホルモンの減少が始まり、男性更年期と呼ばれる症状が現れることがあります。

体調がすぐれずイライラする
不眠、不安感、くよくよ落ち込む、気力がわかない
ほてり、のぼせ、多汗、動悸や息苦しさ
めまいや吐き気、食欲がない、頭痛、肩こり、頭が重い
早朝勃起がなくなる、頻尿、夜間尿・・・
足腰がだるくすぐ座りたくなる

病院をあちこち回っても決定的な病名はつかず、「どうしたらいいんだろう」とますます不安になります。

そんな時は中医学で考えるとよいでしょう。

中医学では、男性は8の倍数の年齢ごとに転機を迎えると言われ、40歳ごろから腎虚は始まるのです。

腎虚の主な指標は、排尿、耳、脳、足腰、生殖、髪などです。

腎虚:成長、発育、生殖 | 漢方家ファインエンドー薬局 千葉県佐倉市 (coocan.jp)

日本人は胃腸が弱いので、まず補脾(胃腸を元気にする)、そして補腎(生命力を維持するエネルギー「精」を補う)などの漢方で養生してみましょう。思いのほかするっと悩みが解消することもありますよ。

西洋医学では「まあ、年齢ですから」と言われて終わりですが、中医学は成長・発育・老化を考えた養生法がたくさんあります。中医学の知恵を取り入れて、元気に過ごしてください。

 

漢方家ファインエンドー薬局HP
漢方家ファインエンドー薬局フェイスブック いいねクリックどうぞよろしく