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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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花まんま(文庫)朱川湊人覚書

2008-07-07 | 
昭和30~40年代の大阪下町を舞台にした短編集。
当時の下町のつくりや子供たちの遊び、TVの話題などをリアルに表現し、一瞬にしてタイムスリップ。
そんな中で、生まれ変わりとか、死んだのに魂がこの世を遊ぶ様など、人の思いの不思議を描いた「胸のこのへんがシクシクする」ちょっと切ない物語。

「花まんま」
無念のうちに命を失った女性が生まれ変わった幼い女の子。その子がかつての両親のもとへと花まんまを届ける話。
幼い女の子のはずが数行読み進む間に、大人の女性にイメージが変わる描写がうまい。
精一杯抵抗する幼い兄の言葉にちょっとキュンとする。

「トカビの夜」
無慈悲な差別を受けながらも純な心で生きる子、一方差別せざるを得ない子の苦悩と純真さ、その姿に胸が熱くなる。

「妖精生物」
「摩訶不思議」
「送りん婆」
「凍蝶(いてちょう)」

この人が長編を書いたらどんな世界が広がるのだろう。

1963年大阪府生まれ
『ウルトラマンメビウス』の第32話にて『帰ってきたウルトラマン』の第33話「怪獣使いと少年」の続編「怪獣使いの遺産」他2本の脚本を手がけた。人なのだそうです。


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2 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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こんばんは★ (yokosuka777)
2008-07-09 01:34:12
読んだことはないけれど、やくさんが書いてくれたあらすじを読むだけでも切ないですね。なんとなく
でも、読んで見たいな~と思いました
返信する
yokosuka777さん、ありがとう (やく)
2008-07-09 13:53:06
コメントありがとうございます。

晴耕雨読と言いたいところだけど、梅雨のうっとうしさで、ぼーっとしてるまに1週間が過ぎさるこの頃です。読書で気持ちだけでもリフレッシュせねばな~。

この本、表紙の絵もかわいいでしょ。

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