この物語の終盤、画家と庭師互いに、庭師(右)の命が数日で尽きることを知りながら二人で釣りに行ったところ。
この池のシーンに移ったとたんに、胸が熱くなりました。
豊かな緑、静かな湖面、その圧倒的な包容力。
あたりに油断なく視線をやりながら死神の話をする庭師。
その時あたかも呼び出された死神のように、池の底からぬめりとあらわれ釣りあげられた大きな鯉の、不思議な美しさ。
リリースされ水底にゆるっと消えていく姿。
うっとりするほど、素晴らしいシーン。
そして、
野菜が育つ畑の間。強い痛みに耐えられず地面に横になりながら野菜の手入れをする庭師。空を見上げて、
「空に行ったら広すぎて迷いそうだ。行くなら地下がいい。根っこがあれば迷わない」
画家、ちょっとあせりながら
「とりあえず今は地上だよ」
庭師らしい発想です。
こんなセリフに感動してしまうのは、それまでにずーっと、画家が幼馴染の庭師と再会してからのやりとりを見てきたからだ。
とんがった都会のストレスの中で自分を見失いかけている画家は家族ともぶつかってばかり。逃げるようにして舞い戻った故郷の田舎。苛立つ画家の質問に、明快な言葉ではなく複雑な表情で答える庭師がうまい。それでも庭師の気持ちが画家に伝わっていくのがわかる。
庭師はどこまでも自然で素直だ。
会話の言葉と表情、そして思いやり深い行動。たくさんのやりとりが穏やかに画家の心を癒してゆく。
★★★★★ 庭師役ジャン=ピエール・ダルッサン 最高!
ジャン・ベッケル監督、してやられました。笑ってなごんでしみじみして最後はしっかり泣かせていただきました。
日本語字幕で会話の内容を知るのだが、きっとフランス語の元の会話はもっともっとユーモアがあって意味深くて心地よい会話なのだろうなあ。
監督 ジャン・ベッケル (「クリクリのいた夏」の監督)
画家(キャンバス) ダニエル・オートゥイユ
庭師(ジャルダン) ジャン=ピエール・ダルッサン
ファニー・コタンソン
ロディー・ナヴァール
アレクシア・バルリエ
ヒアム・アッバス
この池のシーンに移ったとたんに、胸が熱くなりました。
豊かな緑、静かな湖面、その圧倒的な包容力。
あたりに油断なく視線をやりながら死神の話をする庭師。
その時あたかも呼び出された死神のように、池の底からぬめりとあらわれ釣りあげられた大きな鯉の、不思議な美しさ。
リリースされ水底にゆるっと消えていく姿。
うっとりするほど、素晴らしいシーン。
そして、
野菜が育つ畑の間。強い痛みに耐えられず地面に横になりながら野菜の手入れをする庭師。空を見上げて、
「空に行ったら広すぎて迷いそうだ。行くなら地下がいい。根っこがあれば迷わない」
画家、ちょっとあせりながら
「とりあえず今は地上だよ」
庭師らしい発想です。
こんなセリフに感動してしまうのは、それまでにずーっと、画家が幼馴染の庭師と再会してからのやりとりを見てきたからだ。
とんがった都会のストレスの中で自分を見失いかけている画家は家族ともぶつかってばかり。逃げるようにして舞い戻った故郷の田舎。苛立つ画家の質問に、明快な言葉ではなく複雑な表情で答える庭師がうまい。それでも庭師の気持ちが画家に伝わっていくのがわかる。
庭師はどこまでも自然で素直だ。
会話の言葉と表情、そして思いやり深い行動。たくさんのやりとりが穏やかに画家の心を癒してゆく。
★★★★★ 庭師役ジャン=ピエール・ダルッサン 最高!
ジャン・ベッケル監督、してやられました。笑ってなごんでしみじみして最後はしっかり泣かせていただきました。
日本語字幕で会話の内容を知るのだが、きっとフランス語の元の会話はもっともっとユーモアがあって意味深くて心地よい会話なのだろうなあ。
監督 ジャン・ベッケル (「クリクリのいた夏」の監督)
画家(キャンバス) ダニエル・オートゥイユ
庭師(ジャルダン) ジャン=ピエール・ダルッサン
ファニー・コタンソン
ロディー・ナヴァール
アレクシア・バルリエ
ヒアム・アッバス