goo blog サービス終了のお知らせ 

漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
http://kampo.no.coocan.jp/

父親たちの星条旗(映画)記録映画にも匹敵

2006-11-24 | 映画
淡々と、観た。

戦争の泥沼を。

この象徴的な写真・・・
戦争に行かない者たちは、戦争を政治に利用する。
戦争は、政治の道具だもの。
だけど、その政策で苦しむのは、若い若い青年たちだ。

実際、こんな戦争に立ち会ってしまったら、
無事に帰ってきたとしても、恐ろしくて戦争をどうこう
語るなんてできない。
何年が過ぎても、心が開放されない。

激しい戦闘シーンでは、
若者のとまどう視線に、恐怖でつぶされそうだけど、
「前進!、前進!」って、まったく、
銃弾がそこらじゅうに飛び交ってるのに、もうやけくそだよね。
何も考えられなくなってくる。
泣くだのわめくだのそんな感情もどこかへ消えてしまう。
とても人間の世界じゃないよ。



エンドロールで紹介された硫黄島の戦いの記録写真を見て
驚いた。
映画の映像がそのままだった。

クリント・イーストウッドは戦いの景色を忠実に再現したのだ。

脚本は、なっとくのポール・ハギス(「クラッシュ」の監督)


これをいいとか悪いとか評価することはできないかもしれないけど、
★★★★☆

監督 クリント・イーストウッド (スピルバーグも協力)
脚本 ポール・ハギス

出演
ライアン・フィリップ
ジェシー・ブラッドフォード
アダム・ビーチ
ジェイミー・ベル
バリー・ペッパー

太陽の子(灰谷健次郎)覚書

2006-11-24 | 
灰谷健次郎さんが亡くなった。

読んだことのある本は、「太陽の子」(てだのふぁ)だけ
だったけど、
読み進むうちにじわ~っと心が熱くなったのを覚えている。

登場人物が皆、それぞれに温かくて、人の心を気遣ってくれる
人たちだった。
「人を心配するってこんなふうにやるのか・・・」と
いまさらながらに気づかされたものだった。

神戸で、琉球料理の店を営む夫婦の幼い女の子が、
沖縄出身の常連客たちに囲まれて、しだいに両親の故郷沖縄と
その地であった戦争に思いを深めていく話だ。

その子の父親は戦争体験から精神を病み、それはけっして
癒えることなく、月日がたつほどに症状は悪化するのだ。
それでもすべてをひっくるめて、その女の子は、父親を
静かに見つめていこうとする。


沖縄本島の「南部」は、古いものがほとんど残っていない。
観光的にはちょっと面白くないのだけれど、
それは、戦争によって、建物から人まですべて焼きつく
されたからなんだ。

たまたま昨晩、映画『父親たちの星条旗』を観た。
そして、草木1本まで焼き尽くされた南の島硫黄島の異様な姿に
この小説を思い出したところだった。