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漢方薬剤師の日々・自然の恵みと共に

漢方家ファインエンドー薬局(千葉県)
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単騎、千里を走る。(映画)

2006-01-31 | 映画
オープニングから久々の高倉健の声。ドキッとしますね。味わいのある声で包容力を感じます。
しかし年齢を重ねた彼の背中は、かつてより少し小さくなったように見え、それがこの物語の父親としての悲しみみたいなものを一層増幅させます。

ガイドたち、警察の人、村の人々、彼らの人としての接し方に、新鮮さを感じてしまった私は、こんなにも大切で当たり前なことを忘れてしまっていたのですね。

『義理』とか『道理』とか、言葉さえ忘れてしまいそうな今頃の生活は、なんと粗末だったんでしょうか。

さすが監督チャン・イーモウは、人に演技させるのがうまいというか、人の人格を引き出すのがうまいというか、おかげで役の人間性に深みや味わいがでていて感動します。
何があっても引かない高倉健の父親としての意地、それに心をひらく中国の人々。淡々としていながら、心が熱くなります。
舞踏家・李加民のきりっとした表情もステキでした。

日本側の映像にちょっとわざとらしさと流れが中断する感じがあって、ちょっと残念。


公式サイト

(メモ)
>「単騎、千里を走る」は、「三国志」の仮面劇の演目。後に蜀帝となる劉備の義弟・関羽が、劉備の妻子とともに敵の曹操に捕まるが、劉備への仁義を守り、ただ一人で劉備の妻子を助けて脱出、劉備のもとへ帰ってくるという”家族の再生”の話だ。
 たった1人で中国に渡り、心の中で”家族の再生”を果たす本作の主人公と重ね合わせている
マダム・クニコの映画解体新書より

★★★★