蠕動で渉れ、汚泥の川を 2017-03-05 13:39:11 | 本 『蠕動で渉れ、汚泥の川を』 西村賢太 ☆☆☆☆ 定期的に矢も楯もたまらず読みたくなる中毒性を有する西村賢太の未読の長篇を、ハードカバーを購入して読了。『苦役列車』と同じく主人公は北町寛多だが、今回は少し時系列を遡って、まだ17歳の時分の話。寛多洋食屋に勤める、の巻である。あいかわらずエゴと卑屈とみみっちさをむき出しにして這いずり回る寛多の姿に読者は笑い、呆れ、ほとほと愛想がつき、やがては痛 . . . 本文を読む