アブソリュート・エゴ・レビュー

書籍、映画、音楽、その他もろもろの極私的レビュー。未見の人の参考になればいいなあ。

夜毎に石の橋の下で

2012-11-25 17:29:22 | 
『夜毎に石の橋の下で』 レオ・ペルッツ   ☆☆☆  オーストリアのユダヤ人作家が20世紀初めに発表した小説。美しい装丁と幻想歴史小説という謳い文句、そして16世紀のプラハが舞台ということに惹かれて入手したのだが、予想とは違っていた。私が想像したのは重厚でメランコリックな、絢爛たる幻想小説だったのだが、全体の印象はむしろ「ほら話」的だった。  幽玄なところもなくはなく、たとえば冒頭の章ではプラ . . . 本文を読む