江戸糸あやつり人形

江戸時代から伝わる日本独自の糸あやつり人形。その魅力を広めるためブログを通して活動などを報告します。

なかなかなもの

2010-05-04 23:21:32 | 日本の文化について
3日は田舎から義姉さんが上京してきたので、木馬館に案内する。
何年振りであろうか、
いや、かれこれ20年ぶりぐらいであろうか、
地芝居、ドサ回りの芝居とも言われる大衆演劇を見るのは。

そういうものだと思っていた。
私が教わってきた環境の中では、例えば
日舞でちょっといやらしいシナみたいな形になると「ドサみたい」と非難される。
芝居でもちょっとクサイと「ドサ芝居みたい」と非難される。
そんな先入観を持って客席に入ると、
のっけから打ちのめされる。
来ているお客さんはお年寄りばかりと思っていたが、
なんとセーラー服の女子高生始め20代前半の女の子が目に付くのだ。
幕が開いて納得する。
イケメンばかりなのだ。
しかも花代を贈るのはおばさんばかりだと思っていたら、彼女たちも贈っていた。
そこでおじさんは、テレビのタレントのように顔だけで実力の無い奴だろうと勘ぐった。
ところがどっこい、皆それなりに踊れるのだ。
皆流れることなく、踊りをきっちり止めることができるのだ。
その彼らが踊る踊りがなんとも不思議だった。
着物を着て扇を使い、その姿は新舞踊と言って良いのだろうけれど、
どこと無くストリートダンス的な雰囲気も感じられ、新しい踊りにつながっていくのかと
思わせるところがあった。

芝居は藤山寛美のものを取り上げていた。
大阪から来た劇団だから泣き笑いの芝居は得意なのかもしれない。
でも大阪特有のコテコテさが感じられなかったのは、東京を意識しての事か。
多分30代を中心に20代も多く関わっているのだろう。
確かに若い劇団だけに至らないところもあったが、皆が楽しみながら一生懸命やって
いる様子が伝わってきて、すがすがしさが残った。

翻って今の演劇界を見るに、観客(大衆)を考えながら彼らのように努力している
役者なり劇団がどれだけあるのだろうか。無いとは言わないが。
彼らは強い。
毎日舞台を、しかも1ステージ3時間半の公演を1日2ステージもこなし、
1ヶ月続けるのだから。
日本の芸能の歴史を浅学ながら思い出してみると、どの新しいジャンルも大衆に支持
される中で生まれてきている。
今の評論家には支持されないかもしれないが、彼らのような大衆演劇の中から新しい
舞台が生まれてくるのではないか、そんな気さえした。
それだけの力強さを感じた舞台だった。

劇団花吹雪
5月30日まで
入場料は一人1500円
昼は12時~  夜は5時~
平日の夜の部は多分そんなに混まないと思うので、是非。
問合せ:03-3842-0709
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