マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

浅丘ルリ子主演の映画『執炎(しゅうねん)』を観る

2021年11月12日 | 映画・美術・芝居・落語

 東京新聞の夕刊に『あの頃、映画があった 再発見!日本映画』という記事が時折載る。10月4日(月)には浅丘ルリ子の映画出演百本を記念して作られた蔵原惟繕監督作品『執炎』が登場していた。この記事に紹介される映画のみならず他のメディアにも登場する日本の“古い”映画を観たいと思うことが時々あった。知人に紹介されたNetflix に加入したこともあったが、見たい映画に出会う確率は低かったので値上げを機会にこちらは脱会していた。

 『執炎』は旧余部鉄橋が登場するということがあり何とか観たいと思い、TSUTAYAの無料お試しサービスに入ってみたがこの作品のネット配給は無く、こちらも事前に脱退した。これらの経験を通じて『執炎』観賞はほぼ諦めていた。ところが・・・。
 10月13日にパソコン教室「ばんゆう」に行き、講師の先生に2つの質問をし、正解を教えてもらった最後に、「日本の古い映画を多く見られるサイトはありますか」と問うと、「Amazonが良いです。Amazonは元々映画会社でした」とのことだった。早速その場でアマゾンにアクセスすると、なんと最終的に『執炎』に到達した。その時の先生の言葉に驚いた。「あれ、Amazonの特別会員になっていますから無料で観られますよ」と。はっきりと認識していなかったが妻がネット購買便宜の為、ここの会員になっていていたのだった。帰宅してこのラッキーな話を話題にしたあと直ぐに映画『執炎』を観た。

 戦前の山陰地方の漁村が舞台。網元の長男、拓治(伊丹一三)は、山奥に迷い込み、小さな集落に辿り着く。そこは平家の落人の隠里で、美しい娘きよの(浅丘ルリ子)に出会い、二人は恋するようになる。二人は愛し合い、拓治が3年の兵役を終えた後結婚する。


 戦争が激しくなるなか、拓治は招集され戦地で重傷を負い佐世保の病院に収容されるが、きよのの懸命な看病で一命を取り留める。きよのが育った山里で二人だけの生活。リハビリの結果足腰も完治、幸せな日々。そこへ再び召集令状が届く。親友泰子(芦川いづみ)の夫が死亡したことも聞かされ、精神のバランスを崩し始めるきよの。
 拓治は沖縄で戦死し、周囲はその知らせをきよのには隠しておいたが、きよのは拓治の死を知ってしまい、海に身を投じてしまう。

 浅丘迫真の演技である。拓治と手をとりあって里山を駆け巡るときの弾けるような笑い。余部陸橋上のラブシーン。2度目の出征を見送ったあとの放心した姿。海でや海中でのヌードシーンにははっと息をのむ。
 「十三」と改名する前の伊丹が若々しい。郵便配達人は赤紙配達人となり、死亡通知も配達するようになり村人から忌み嫌われる。この役を演じる宇野重吉の存在感がたっぷり。
 東京五輪後約1ヶ月後の作品で、反戦への強い思いがごく当たり前の様に作品を貫いている。


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