マーちゃんの数独日記

かっては数独解説。今はつれづれに旅行記や日常雑記など。

人形浄瑠璃文楽二月公演を観る

2020年02月19日 | 映画・美術・芝居・落語

 14日(金)朝8時、ラジオ体操仲間のSさんから電話が掛かって来た。「国立劇場での文楽の、今日18時からのチケットが1枚あります。急な話ですが行かれますか」とのこと。予定の入っていない私が有難く頂いた。
 最後に文楽を観たのは多分30数年前のことだ。当時勤務していた向丘高校に「文楽鑑賞教室」という学校行事があり、生徒を引率して国立劇場へ出掛けて行ったことがあった。この行事に熱心に取り組んでいた国語科A先生が交通事故で亡くなられた後は実施していなかったのでは・・・。懐かしくて少し調べたら、今も「高校生の為の文楽教室」は開催されていた。
 さて、国立劇場へは今回も日比谷から三宅坂まで都バス利用。18時開演の部は第三部で、演目は『傾城恋飛脚より 新口村の段』と『鳴響(なりひびく)安宅新関より 勧進帳の段』の二本立て。『傾城恋飛脚』はストーリーが分かり易く、『安宅の新関』は格別に面白かった。
 舞台は歌舞伎舞台よりはやや小ぶりに見え、そこに登場するのは人間では無くて主役は人形。義太夫の語りが非常に聴きやすい上に、電光掲示板にその語りが表示される。舞台と掲示板を交互に見ながら鑑賞したのでストーリーが分かり易かったのだと思う。
 『新口村の段』は物語の最終段。公金横領の大罪で逃避行を続ける忠兵衛と傾城梅川。実父孫右衛門にせめて一目会いたいとの思いで故郷新口村に戻って来た忠兵衛。孫右衛門は障子一枚隔ててすぐ傍にいるのが忠兵衛と知りますが、養母が入牢されたと聞いて、その義理からも名乗り出せば忠兵衛にお縄を掛けなければなりません。
 梅川の機転で孫右衛門に手拭で目隠しして父と子は抱き合います。梅川はそっと手拭を外し・・・。再会を果たした後、忠兵衛のみが追っ手を逃れ、逃げていきます・・・。(写真:父子再会の場面。手拭を手にするにが梅川)
 心理劇的要素の多い物語は、朗々と流れる義太夫節で分かり易く観劇出来た。細かい動作を演じ分ける技芸員の人形捌きが見事だった。

 『安宅の新関』は歌舞伎でも何回か観た、あまりにも有名な場面。富樫に勧められて杯を受けた弁慶。最後に一人残り三味線に合せて跳ね踊り舞う。“飛び六方”の場面、人形弁慶の動きは躍動的で力強く実に見応えがあった。(技芸員は豊竹藤太夫)
 観劇を終えて外へ出ると広場には新宿駅西口行(劇5)と東京駅行(劇3)の都バスが停車していた。有り難くも便利なことである。


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