地方公設試験研究職を勤めあげ?、70歳ころまで溶接技能検定にタッチすることができました。間質性肺炎に悩まさる欲張りです。
ゆうゆう職場



 

まま(金属)破面に表れて、疲労破壊を現す微視的な平行縞模様のこと。

 

公設試験場に入所したのと同時に、当時としては最新であった微小部分分析装置の島津製作所X線マイクロアナライザー;EMX-SMが導入された。新婚生活スタートの頃だから1975年! 45年も前である。いろいろと観察したし、研究真似事の佳い助手?さんであった。しばらくして齧りだしたフラクトグラフィ(破面解析)の入門書により、脆性破壊、延性破壊などなどと共にこのパターンを憶えた。

 

憶えたらうれしいもので、はやく自分の眼で確かめてみたいものである。が、10回に1回もストライパターンを観たことがなかった。解像度の問題である。EMXの観察可能な倍率は公称一万倍には遠く、6千倍ほどが満足できる解像であった。やはり分析能に主力を置いた機器であるから、もっと安価なSEM;走査電子顕微鏡の解像度には及ばなかった。・・・EMXもSEMもともに試料表面を電子線スキャンして、発生した”2次電子”の強弱で微小部の画像をブラウン管;CRT に作り出すのだが、EMXでは分析には元素特有の特性X線を発生させる必要があり、照射電子も多くする必要がある。多くのモノが流れると、絞るのが困難になるのは電子も同じこと。どうしても、ぼやけてしまう。

 それが、確か90年代と思うが(・・・・もう脳が溶けだして???何年なのだっ!)もう一桁解像度の上がった日立製作所FE-SEM/EDX装置を導入してもらえた。SEMやEMXではタングステンフィラメントを熱して熱電子を取り出して照射電子にしたものを、超高真空下で冷陰極から取り出した(フィールド・エミッション)電子を用いたものである。

えらいもので?10回のうち5回ほどはストライエーション模様が観察できた。フラクトグラフィでは昔から、”破損の原因の大半は疲労である”と言われるのを納得できた。・・・・さて、ウダウダ面倒な文言を並べたが、今夜に言いたかったことは秋空に浮かぶスジ雲のこと。まさにストライエーション。畑の種まきで疲れた腰を伸ばして、あぁ~ と一息の一昨日。秋が深まりつつ。



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