40年とした運転期間を延長可能とする明確な科学的根拠も示さぬままに、原発銀座・福井県の美浜・高浜原発の再稼働を知事&経産相が同意したとの報道があった。その”根拠”として、経産省は原子力規制委員会が出した40年を超えた炉を再調査のうえ20年の寿命延長を認める であろうし、県のほうは県原子力安全専門委員会によると必要な対策はハード・ソフト両面から講じられたおる としている。こんな”非”専門家さんらの口車に乗って好いのだろうか。仮にも延長をよしとする「科学的根拠」が私たちが納得しやすい形で示された記憶が無い。そのような立派な根拠があるとするなら、F1といわずそれ以前の各炉で配管漏れ事故などが何故生じたのかしら・・・と。
さて、延長報道と同じページの新聞紙面で、懐かしいお名前を観た。凡庸な私(私たち?)にも授業してくださり(当時は、助手先生でしたか)、移られたT大名誉教授のIさんが炉材劣化の惧れにふれてみえる。アンチ原発なら先生もイロイロな学会で傍流と遇せられたこともあっただろうな。一方、工学実験研究でお世話いただいた別のI教授は、Iさんのお考えの流れが分かり難い 等ともおっしゃってみえたのは序の噺。私は原発炉なんて石油プラントの圧力容器の高級版 と観ておるから、不測の事態がいつ何時でも起きるのは当たり前 と思っている。まして、一段と高級な材料を使っているからこそ、余計に破損しやすいであろう・・・合金元素を増やして或る特性が向上した高合金を造ると、思わぬ欠陥が生じることがある。例えば、一般の炭素鋼に比べて、高合金のステンレス鋼では環境によっては不意に割れなど欠陥が生じやすいことについて、どの材料学でも述べられておること。その欠陥原因のあれこれ実験研究がなされ、多くの論文となり、一つの理論が形成されほぼ万人に認められて教科書・参考書となる。これに基づけば完璧なモノが造られる といってよいだろう。そんな時間まで待って居れば、世流れに置いてゆかれる と焦らされるのだろう。が、原発炉のことである。F1の収拾もおぼつかない現状を観れば慎重に慎重に と願うばかりである。
同じ日の紙面であったか、中国が北斎の富岳三十六景を模して、大波の小舟から処理汚染水を海に流す戯画にした図の掲載もあった。我が国の科学世界は、正当に中国の姿勢を非難できるだろうか
ゴチャゴチャと面倒くさい話をしてしまった。嬉しいことを一つ。今年は未だワンペアしか営巣が無い燕さんのこと。No.1巣では母鳥が巣に籠るようになった。巣の下に置いた排泄物受けには上記のネタが掲載された新聞紙が敷いてある。たしか、翌日4/30に孵った卵の殻が落ちていた。燕さんがお礼に落としてくれる とか。ありがとう