リチウムイオン電池関連で吉野さんのノーベル賞、悦ばしい。受賞者がどんどん増えればA倍さんでなくとも日本人は喜ぶ。ただ、理系の端くれに居る人間には釈然としないこともある。
最近では現実の産業に貢献が著しい発明が受賞対象になることが多い と見てしまう。それだけモノの根本は発見・議論され過ぎたのかもしれず、新たな見解は出にくいのかもしれない。
私が研究の真似事でお世話になった透過電子顕微鏡;TEM の勉強をし始めた1980年代の終わりころ、1931年にTEMを考えだした発明者ルスカさんと、その50年後に丁度のその頃話題にあがったトンネル電子顕微鏡;STMを考案したビーニッヒ(およびローラー)さんとが揃って1986年にノーベル物理学賞受賞となった。(ルスカさん、よかったね長生きしてくだすって!)
斜めから見ると、STMだけの授賞では片手落ちに見られるのを嫌ってTEMも対象にしたのかな と。幅広い科学学問に取り入れられたTEM、取り入れられすぎで、それまでルスカさんの授賞がなかったのかしら。STMでは微細な駆動(原子サイズに匹敵するような)が必要とされる。その関門が技術進歩で開けられ、誰もが気づかなかったトンネル電子を捉まえることで原子の配列を明らかにしたビーニッヒさん。たちまち、受賞となった次第。
アイディアが即、実用となる科学技術の進歩。早すぎる と思うのは後期高齢が近づいた我が身かな・・・
ちょい脱線。昔の酒席で、アップルのスティーブ・ジョブスさんMSのビル・ゲイツさんが受賞しないの と愚問を挙げてしまった。と、先輩格のYさん(後に県議会議員さんに)に、〇君は単純だなぁ~、たんなるアッセンブルで誰でもが考えることができるから対象外となるのだよ と。かもしれない、おそらくそうだろう。だから数学賞もないのかな。けど誰も考えなかったから彼らの仕事があったのじゃないかな。
**********以下、ウィキからコピペ************
ルスカのこと・・・最初の電子顕微鏡 (TEM) は1931年にベルリン工科大学のマックス・クノールとエルンスト・ルスカが開発した。さらにルスカは性能を高め、この功績で1986年にノーベル物理学賞を受賞した。シーメンスの科学ディレクターだったユダヤ系ドイツ人のレインホールド・ルーデンベルク(en:Reinhold Rudenberg)が1931年、特許をとり、1938年に電子顕微鏡を売り出す。
ゲーニッヒのこと・・・走査型トンネル顕微鏡(STM)を1981年に開発した功績でノーベル物理学賞(1986年)を受賞したIBMのチューリッヒ研究所のゲルト・ビーニッヒ(Gerd Binnig)は、トンネル効果が生じるような非常に近い距離では探針と試料の間に有意な力が働くことを発見した。この力を利用する事により、STMでは不可能な絶縁体の測定を実現しようとビーニッヒは考え、同研究所で1985年にAFMを開発した。
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