最近の夜の友は旧ベトナムのタック・ラムさん(1910~1942)の短編集。どうせ あっさりした筋だろうと始めたものの、よろしい。表題の”農園の日差し”など全編から仏領のころの田舎の風景が染み入ってくる。朝靄、冬の冷たい風と朝などの表現からは匂いと風音が漂ってくる。若くして肺病で亡くなられたそうで、ほろ苦い初恋や抜け出しようのない田舎の苦しい生活が”あっさりと”佳く書かれている。
市の図書館へ行くと、ついややこしそうな本を選んでいた。ちょいと文庫本を手にして知った朗読者のベルハルト・シュリンクや停電の夜のジュンパ・ラヒリの新潮版を借りだすこともあったが、うなずくページがあるものの全体何を読んだのだろう と。そんな嘆く父に娘は”お父さんに合ってないだけや”と断定してくれる。だんだん図書館が遠くなったりもする。なぁんにも考えずに済むアランブースのニッポン縦断日記や津軽を5度も6度も手にしたりする。そんな折に出会ったのが嬉しい。
喜ばしく目を愉しませてくれたのは、昼前に巣立ったツバメ兄弟。親鳥のごとく空を掛けることはもちろん、飛ぶのも不自由にみえる。ようやく稲苗のプラスチック育苗箱の汚れを洗い落とす仕事を始めたが、頭上の電線に兄弟が長らく止まっている。ちょいと風が吹き電線が揺れると、自信なさそうに羽ばたいてバランスをとっている。夕方も隣のお家の窓枠に揃って並んでいたのをパチリ。親鳥はえらいもので1mも離れていないところに留まって見つめて?いる。明日も会えるかな
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