崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「親日政府」を望む人

2008年02月26日 06時39分05秒 | エッセイ
 昨日コーヒーショップで待合わせをしている時であった。そこのコーナーにどこかで会った覚えがあるような正装をしている紳士がいるので私は何度も顔を見た。しかし彼の反応はない。私は気になって近かづいて声をかけた。やはり知った人であった。彼は植民地朝鮮で生まれた引揚者であり、以前拙宅に他の方々と招待したこともあったので覚えていたのである。年をとり互いに忘れが酷い。終戦時に彼は大きい財産を韓国に残して引揚げてきて苦労した。その苦労の暗い影が表情に表れている。彼は個人の能力や運命を超えて悪い時代が彼の人生を犠牲にしたような言葉を口にしていた。ただ韓国の盧大統領が「反日大統領」であったのに比して、李明博新大統領は「親日大統領」のようだというような話には明るい表情を見せた。私も日韓関係がよくなることを期待し、祈る気持になった。