李恢成氏から送られてきた李炳律著『サハリンに生きた朝鮮人』を読み終えた。この本は李恢成氏の推薦によって北海道新聞社が発行したものである。李炳律氏が日本に生まれてサハリンで生活してきたことを記憶と調査によって書いたものである。日本時代に現在マカロプと呼ばれる知取に近い村で農業をし、戦後ソ連時代、そしてロシア時代、それぞれに適応して真面目に生きてきたことが平凡といえば平凡でありながら現在に至っている。いわゆる強制動員されたケースとは異なる生活が描写されている。今まであまりにも「強制」中心の書物の中にこのような人生もあったということが証明できる。読み始めて記憶力が抜群であることに驚いたが徐々にノンフィクションか小説かが分かりにくくなった。大部分は自分の経験や証言と調べられたものとの区別ができず曖昧なジャンルのように思われた。