崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

大国と小人

2010年11月02日 04時45分23秒 | エッセイ
 中国の反日デモの旗に「小人日本」と書いてある。「小人」は中国人の日本人に対する悪口であることは知っている。韓国では「倭の奴」という似ている言葉がある。北朝鮮ではその言葉がかなり公に使われている。中国は確かに地理的には大国であることは否定できまい。しかし韓国や北朝鮮が日本を指して言うときはサイズでは言わない。いずれにせよ、小さい人とは身体的な意味より精神的なものを意味するのであろう。私が感じている日本人の小さい人とは寛容性が少なく、小さいものにこだわりが強いことだと思う。しかしそれは日本人の長所にもなる。
 中国は大国ではあるが不思議な国である。民主主義はなくとも資本主義が可能になっているように見える。ソ連崩壊の時、中国が民主化すると期待したが、天安門事件が強圧され、民主化の芽は摘み取られた。アイゼンスタートの近代化論で近代化とは政治の民主化、経済の資本主義化、教育の普遍化、思考の合理化などの項目が並んでいる。それらはある特定のものだけが可能になるとは思わない。韓国の金大中大統領は民主化=経済化を強調した。人民大会で人民の代表を選出すること北朝鮮と代わりのない政治体制の中国が経済発展を可能にすることは異様な感じがする。本当に人民から選ばれてない中国の首相の挙動をみると大国の人物とは思えない。少なくとも日本人を「小人」とは言えないだろう。その言葉は中国に跳ね返っていきそうである。「大国の大人」が現れるのはいつだろうか。

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