崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

世界一広い広場

2016年04月29日 04時56分27秒 | 旅行
世界一広い広場の星海広場、大連市民が褒めたたえた薄市長の功績が広がっている公園を散策した。私には思索の時間であった。薄氏は終身刑であっても尊敬されるのはよいと思うべきであろう。刑を政治的な争いと思うのは韓国と同様である。珍しく春晴れ、初夏のような晴天に恵まれた。しかし暗い歴史遺跡を訪ね、歴史学者の呂氏の運転案内は最高であった。彼は拙著の中に朝鮮戦争中中国軍人が民家へ被害を加えなかったこと、米軍の性暴行とは対照的であるというところに中国のプライドを感じながら一話を付け加えた。文化大革命の時自分の父親が9歳の時、日本殖民時代に軍用馬の管理(飼育)のアルバイトをしたことが密告されて親日派として同族の村人から殴られ、首に重いレンガをさげた縄をかけられた。その恥辱的なことを子供には言わなかった。しかし後に密告した人と職場の同僚として働くこととなった。息子たちが成長して復讐をしたという。なぜ人間は政治のイデオロギーや宣伝に染まりやすいのか。今の日本ではメディアに染まっているという憂いがある。しっかりした自我確立ができていないからだと思う。
 旅順へ向かった。日露戦争遺跡は二度目、詳しくみて、自分の研究を振り返ってみる時間となった。リスが新緑の二レの木の芽を食べていたので私も味わってみた。ロシアの不凍港として陣地を構築したのに日本が破壊したことの辛い戦いが浮かんできた。日本が立てた記念石像がそのまま建っている。反日デモの無い大連では反日を気にせず歩くことができる。旅順日俄監獄旧地も二度目、刑と絞首刑の場、恐ろしい場であって国民に愛国の現場として開放している。以前みたときは一般公開の前で緊張したが今は観光客の中に混ざってゆっくりみることができた。しかし展示館の職員たちは表情も硬く、看守そのものの感じであった。無表情の中国の女性たちにはふさわしく感じた。おそらくガイドではない、看守(?)意識が強いのだろう。林さん夫婦の招待晩餐会は満族レストランの大清苑で鹿肉料理にマンゴージュース、魚の具が入った餃子をご馳走になった。呂氏の配慮で3泊目のホテルは大連海岸の星海假日酒店、海上に橋が架かった絶景のネオンを眺めながら茶話会。
 今日は朝食後空港へ向かう。

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