崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

70とは

2015年07月25日 04時47分44秒 | 旅行
 昨日は韓国のあるテレビ局から取材に来られた。本社から2回も電話があって趣旨は分かった。それは戦後70年をふり返って見る日本の植民地に関するものであった。特に日本から朝鮮半島へ移住した歴史に関するものである。私には「収奪と侵略」について語って欲しいという。そのテーマに関して経済的な立場から研究している方を紹介した。先日は他社から似たような企画の話もあって韓国でも70周年記念番組が多く作られていると分かった。なぜ70年がそれほど重要な節目になるのだろうか。還暦の60周年か、100年でもないのに、70周年で話題になるのはなぜなのか。それは現時点が問題になっているからであろう。日中、日韓などの関係が上手くいかず互いに戦争のような脅威が存在している時、それを節目として話題性を強めているのである。
 歴史認識もそうである。過ぎ去った過去が問題になることはない。ただ教科書によって学ぶものに過ぎない。しかし現在の状況によって政治的なカードとして生き返って恐ろしいものにもなりうる。それが「歴史認識」という言葉である。慰安婦問題が典型的な例である。今日は台風前夜の隙間を利用するように朴裕河氏の「慰安婦問題」の講演会が行われる。毎日新聞と朝日新聞の案内だけで広く広報はできていない。研究会を公開する形にするつもりである。戦前に帝国と占領地の版図の中で起きた問題が戦後の現在日本と韓国の問題として変身した問題に突っ込んだ議論ができればと期待する。

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