崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

村山智順の研究

2014年11月01日 05時53分29秒 | 旅行
 先週ソウルの民俗苑(出版社)の洪社長から村山智順に関する研究の韓国語の本『村山智順の生涯と巫俗研究』(吉村美香)と『村山智順の朝鮮認識』(金喜英)の2冊をいただいた。それらより1か月ほど前の8月30日に私は村山智順の『朝鮮の巫覡』を韓国語で共訳出版した。私は数年前からその本を翻訳しながら韓国の巫俗研究史の一部を修正した。私がいとしんでいた秋葉隆の『朝鮮巫俗の研究』などが村山智順の資料と理論の枠をほぼ利用したことを明らかにした。それは剽窃に近いものであると考える。昔私の論文をそのまま使った二人のことを指摘したことがある。最近私の「仮農作」に関する1969年の論文をそのまま自分の論文として発表した金某氏のものを他の学者がそのまま引用したので抗議して、後日改正されたこともある。秋葉氏の著書などによって巫俗を研究してきた私として失望は大きく、『日本の人類学』(関西学院大学出版部)と『韓国巫俗学』(韓国巫俗学会)に村山の研究と秋葉の関連性を論文として掲載した。
 そして若手の研究者たちが学説史を正しく勉強をしてくれることを世に求めたのであた。吉村美香氏は私の主張を次のように序文で書いている。「秋葉隆は村山と共同で調査してきた多くの資料を提供され村山の学説を自身の学説として発表して有名になったと崔吉城先生(『日本の人類学』関西学院大学出版部2011.9)が発表したことがある」と書いてある。嬉しい。それは引用されたことはもちろんであるが、正しく若手の学者に私の希望が受け入れられたからである。知的生産は正しく評価されるべきであり、これからも正しい学説史が進展することを強く希望、期待する。二人の著者に感謝する。

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