崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

擁子氏と通話

2007年07月03日 06時17分02秒 | エッセイ
 1986年出版された本が今になってアメリカと韓国で非難の的になって話題になっている「擁子の話」の著者と通話した。いわば韓国系アメリカ人が日本系アメリカ人を非難攻撃しているのである。誰でも本を出版したら否定的あるいは肯定的にも読者の評価を受けることは当然である。しかし文学作品として書いたこの作品が政治的にあるいはゴシップとして言われるのは不快であろう。しかし、この場合、この作品がすでにアメリカで文学作品として認められて推薦図書までなっているので世間の「反日」的非難と戦う必要はないと思う。

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2 コメント

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ヨーコさんのこと (鍬野保雄)
2007-07-03 11:10:57
なるほど米国で文学作品として確立していますから「反日」的非難と闘う必要はないということですね。

韓国のマスメディアが在米韓国人の一方的な情報を韓国内で垂れ流したのが問題を拡大させましたね。
『ヨーコの話』を良く読めば戦争が勝者も敗者もなく両方とも悲惨な敗北であること、先生の言では戦争は爆弾よりも悲惨である、でしたか、そんなことをこの作品から受止めてほしいです。

また作品が早く日本版になるように願うものです。
作者は小さい頃からご両親に朝鮮人、中国人と仲良くするようにと教えられ、そのために日本人から差別された経験もあり、韓国・朝鮮人を差別する人ではありません。この作品を読めば分かりますね。

当時このような人を育てる日本人の家庭があったことも信じられないようなことです。お父さんは東大を出て英国留学もされた方でしたし、お母さんも教養のある方だったようです。お父さんはその後シベリアに抑留され4,5年後に帰国された時には労働できる体ではなくて貧しい暮らしをされたようです。亡くなる時にヨーコさんに「財産とか物はいらないよ、真実に生きなさい」と遺言されたようです。

ヨーコさんは自己の戦争体験やその人生観から、心から戦争を憎み、戦争につながるものと闘って人生を全うしたいとも言われていました。

お父さんはまた軍人でなくて満鉄の職員だったのですが、お父さんを知るそ夫のダンさんの「ヨーコの父は軍人ではなかった」との証言はヨーコさんを攻撃する人の資料からは外されているそうです。

この本が日本語版で出れば、引揚者の筆舌に尽くしがたい苦労というものを日本人は再認識できるはずです。

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Unknown (崔吉城)
2007-07-04 06:19:27
 鍬野様
 20分の国際電話で二人は直接あって話しましょうということになりました。Faxで日程を調整中です。9月に訪米するつもりです。
 日本語の原稿を早めに読んで出版社を決めるようにしたいです。
 
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