崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

原爆記念日と結婚記念日

2012年08月06日 04時15分32秒 | エッセイ
 40年前に日本留学、幸子と会って40年、今日が結婚35周年になる。昨日集中講義のために広島大学にきている。約10年間広島大学にて多くの教職員と学生に親しまれて暮らしたキャンパスを、俄か雨の中、懐かしく往来した。結婚相手として不安な表情をした当時幸子の家族に「幸子を幸せにする」と小さい声でいったが、振り返ってみると私が幸子によって幸せにされてきたと思う。キリスト教会で知り会って教会で結婚式を挙げた、私にとって記念すべきその日が8月6日原爆記念日でもある。そしてその原爆都市の広島、広島大学で長く務めさせていただく幸運に恵まれたのは何の予兆であろう。その大学で定年してから8年間東亜大学に現職を持ちながら毎年集中講義で来れることは感謝である。毎年この時期に集中講義で、家内と記念日らしく祝ったことはほぼない。
 今度の集中講義では「植民地映像をどう観て考えるか」がテーマである。昨日は1919年のオランダ人が撮ったインドネシア「トラジャの死者儀礼」、1924年ドイツウェーバーが撮った「静かな朝の国」、1930年代満州映画協会製作の「迎春花」と最近作の「さよなら李香蘭」などを映像を観賞しながら製作の目的は何であろうかを議論した。また中国四川省からの留学生楊小平さんの博士論文と関連した調査旅行の写真を見せてもらった。私は彼の鹿児島市内や桜島などの戦争記念物や遺跡の写真を見ながら日本はナショナリズムが地域に定着していること、特攻隊さえを記念し、観光化している現状を把握した。私は彼に「戦争と平和の商品化」という本を出すようにと提言した。引き続き今日は映像から観た「戦争と平和」を論じる。

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