崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

墓参り

2010年09月05日 05時46分20秒 | エッセイ
 なぜか久しぶりに父母の墓参りに行きたくなって急なスケジュールで姉などと一緒に行った。早朝ソウルのホテルから出発して、北上して50キロ、昔は軍事作戦道路であった道路を走りながら、戦争を思い出してしょうがない。私の生まれた家のある小さい村は今繊維工場や牧場になっており、分かりにくく変わっていた。門中という親族の代表役である宗家の子孫だけが残っている。「宗家」とは長男系の家として門中を代表し、共同財産の山などを守るべきなのに、それを私有化し、墓を移転、処理して売り、お金を儲けたので卑しい存在になった。私の父母の墓を移せというが私は譲らない。新著『韓国人の祖先崇拝と孝』を供え物と一緒において拝礼した。古希になって親孝行をする気持ちであった。
 昼過ぎ福岡空港に到着し、今度の絵図研究団の代表である川村博忠先生と茶話をした。彼は戦前朝鮮の京城黄金町(現在乙支路1街)に生まれ、九大でドイツ文学専攻、新聞社記者を経て、歴史地理学へ、そして山口大学、東亜大学の教授などを歴任した。彼の一番の業績といわれるエッセンスは地図製作年代に関する細かい証明だったという。私は韓国のシャーマニズムの南方説など開拓的説が時々盗用されたことなども話た。二人とも研究が面白くてやっているということが大きい共通点であった。

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2 コメント

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私も墓参りに、、 (朴正人)
2010-09-06 16:31:33
在日なのだが、我が家はおやじの墓が
韓国にあるのです。おやじが1世でしたので
生前に墓を韓国に作っておいたのです。

ここ3年くらい、忙しくて韓国にいって
ないのでこの写真を見たら、私も近いうちに
墓参りをしなければと思いました。
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Unknown (崔吉城)
2010-09-07 17:47:06
 故国の墓で眠りたいという気持ちは移民には普遍的な現象とも言えるでしょう。三世になると変わるでしょう。
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