崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

子供は愛犬?

2016年01月31日 05時55分50秒 | 旅行
 下関に引っ越してまだ荷物を解いていない新居のマンションを訪ねて来た秀村研二氏が10年ぶりにお見舞いに訪ねて来た。彼を通して私の親友の禹氏の話を聞くことが多かったが、今は故人となりその家族の話をしてくれた。彼が80年代韓国に文化人類学調査に来た時禹氏宅への下宿を勧め、以降その家族とは親しくお付き合いをしているからである。私は友人が死んで墓参り以降彼の家族とは会っていない。その後の友人の家の話は秀村氏を通して聞くだけであり、親しい友人関係は広がりはあっても代を越えて続くのはあまりないようである。秀村氏から聞くところによると、その家の話は成功物語りのようである。長生きの御祖母さん、ベスト学歴とベストポジションの長男、クリスチャン生活などを聞いた。90歳過ぎのおしゃれなお祖母さんは亡くなったが、失敗だらけの彼女の次男である息子に扶養されて良かったようである。成功した長男(私の友)より、一人暮らしの次男に扶養された。親孝行はどちらであろうか。
 その例は私の親族にもある。長男は失敗、一人暮らし、高齢の母を扶養しながら生活する。村には子供がアメリカなどに行って成功したと自慢話をしていたが、今は高齢で一人暮らしをしている人もいる。おそらく孤独死になるだろうという。伝統的な親孝行の構造は根本的に壊れていくのだろう。親の子供への期待は扶養ではなく、ただ何の期待もせず愛情によるものであろうか。子供は愛犬のようなものであろうか。扶養が社会福祉に代わった時代は正しいのだろうか。

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