崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

「弟子の足を洗う」

2013年11月03日 04時14分52秒 | エッセイ
ホテルの朝食には台湾人ばかり、新宿駅まで迷い歩き、東洋大学へ、終日階段の上り下り、相当な運動になった。9時頃大学に着き、活気ある学園祭を見ながら待って研究会に参加した。東京外大の三尾教授に久しぶりと挨拶したら彼女はブログを読んでいるので久し振りではない感がするという返事、嬉しかった。研究会には東洋大学の教授であり、友人の松本誠一氏が横に座ってくれてよかった。この研究会の題の頭部は「帝国日本」になっていて、それが私の聞くポントであった。八尾祥平氏の「琉球華僑にとっての戦後台湾と沖縄関係史」は在日朝鮮人との比較視点から聞いた。松田良孝氏は戦後宮古島から台湾への出稼ぎ、ポストコロニアルにおける台湾との関係、つづいて角南聡一郎氏の南方文化の例としてクルバシャーという農機具に関して調査報告があった。私は昼食の時間で私が監督した映画「小山上等兵が撮った日中戦争」を上映した。
 実にハードな充実した研究会であった。研究会はそれで終わったわけではない。懇親会の乾杯音頭をとり、“寄せ集めの研究会ではなく、グループの研究になってほしい」といった。普段思っていることであるが、アメリカから学際的研究が注目されて他分野との共同研究が盛んになったが、研究費をとるために一時的な寄せ集め、一回だけになる傾向が強くその期間が終ったら泡のように消えてしまう。伝統的な学派が派閥などと悪く言われたが寄せ集め的な学際では大きい成果は出せない。この研究会がただの寄せ集め、一回用にならない、研究グループになってそれを契機にして人間関係が続きながら研究協力ができることを希望する。その懇親会の最中に上水流君から韓国では嫁が義理の父の足を洗うかという質問に私は聖書を引用して、「否、先生が弟子の足を洗う」といって、私に自分の足を洗ってくれという意味かと返し、爆笑になった。師弟関係で共同研究をすることは自慢ではなく、モデルになってほしい。
(写真前列左から私、松本、植野、三尾、後列から松田、角南、林、西村、上水流)

最新の画像もっと見る

コメントを投稿