崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

東亜大学東アジア文化研究所News Letter No.1  2012/3/1

2012年02月23日 06時31分46秒 | エッセイ
東亜大学東アジア文化研究所
News Letter No.1  20123/1

研究所の設立にあたって
東亜を謳う東亜大学は創立発起以来、一貫して「国際的な場で学際的な研究・教育を実施し、大陸への門戸としての機能を長く果たしてきた下関に位置する教育・研究機関として、東アジアとの結びつきを意識してまいりました。
建学の理念にのっとり、東アジア圏を強く意識した研究活動の拠点を構築し、その成果を広く世界に発信するとともに、地域社会の発展に還元することを目的として東亜大学東アジア文化研究所を設立いたします。
海外交通の手段を空路に譲った現在も下関には大陸を近く感じる文化意識が継承されています。これを火種とし、東アジア研究を推進するエネルギーを大きく燃焼させたい、そして、本研究所がその一翼を担いたいと願っています。
    2011年12月10日 所長 崔吉城

発起人:穴見幹男・有福孝岳・石崎幸亮・石本弘之・金田晋・川村博忠・韓賢澤・ 木村健二・櫛田宏治・佐々木正一・野村忠司・林孝介・古川薫・松原孝一

創立記念講演会・シンポジウム
日時:2011年12月10日(土)2時
場所:東亜大学13号館102教室
基調講演:朝鮮通信使にみる日韓文化
仲尾宏(京都造形芸術大学客員教授による基調講演が行われ、朝鮮通信使に関する研究知見が解説された。文禄・慶長の役(壬辰倭乱)によって日本へ拉致された民間朝鮮人を祖国へ連れ帰ることを目的として始まった朝鮮通信使は17世紀以降12回に及んだ。通信使の役割は朝鮮国王の回答国書を江戸幕府へ届ける外交業務にくわえ、贈答品の交換、役人と学者たちの交流を含む誠実な文化交流であった。
シンポジウム
朝鮮通信使行列図にみる文化表象
古城春樹(長府博物館長)は「朝鮮通信使登城行列図」(長府博物館所蔵)から朝鮮人のたばこや酒が好きなことなど観察したことなど絵解き、解読した。
尹芝惠(西南学院大学准教授)は・「絵画にみる江戸庶民と朝鮮通信使」で北斎は朝鮮人を異国風に日本人と弁別化したと述べた。
平野綿子(蘭島文化振興財団学芸員)は「朝鮮通信使の展示と観光」で史実に基づきながらも地域性を表すと言った。
魯成煥(蔚山大学校教授)は地域の原資料から地域民の意識を深めるべきとコメントした。

研究会報告
第一回研究会
東洋大学・アジア文化研究所の共催で行った。
2011年8月27日(土) 13:30~17:00
会場:下関市・東亜大学13号館7階 
崔吉城:「日韓境域研究の回顧と展望――引き上げと証言」
<報告> 
松本誠一(東洋大学):「日韓境域研究の時代区分と『跨境人』のタイプについて」
木村健二(下関市立大学):「日朝間の人の移動をめぐる諸論点ー最近の日本移民学会の研究成果より」
礒永和貴(東亜大学):「日本人の植民地へ移動」
李良姫(東亜大学):「日韓境域における観光移動-過去と現在」
井出弘毅(東洋大学):「巨済島キリスト教会」
<総合討論>
宮下良子(東洋大学・アジア文化研究所 客員研究員)

第二回研究会
 国立民族学博物館の関雄二教授を代表とする科研プロジェクトチームの一人として参加した本学の鵜澤和宏教授がこの夏ペルーで調査した映像を使いながら発表をした。調査現地にたどり着くまでの道のりは険しく、遠い。そこを調査地にしたのは東京大学の泉晴一教授が1950年代調査を始めて以降続けて調査研究をしているという。そのご永い間調査成果が蓄積されている。鵜澤教授はその最先端の研究成果を発表した。動物の骨や人骨などから食生活を中心に発表され、中でも人間の肉を食べたということに質問が集中した。一般食であったが、儀礼食であったか。社会体制や宗教との関連などから幅広く検討されるべきであろう。学際的な研究テーマでもある。
 

活動報告
<図書寄贈>
木村勘太郎文庫郷土資料約3、000冊、倉光誠氏を通して寄贈された。
日韓文交流基金から約5、000冊
山本孝夫氏から『柳宗悦選集』(全10巻)他寄贈
<開所式へ支援>
関科学技術振興記念財団から100,000円、祝義:石崎幸亮氏、石本弘之氏、郭賢国氏それぞれ1万円、信用組合広島商銀(缶ビール1箱)など
<メディア報道>
「毎日新聞」シンポジウムなどを主催するほか海外との学術交流し、情報の発信、公開講座などによる地域貢献を目指す。2012.1.7三嶋祐一郎
「朝日新聞」(2012.1.30「国を超えて生きなさい」昨年できた東亜大(下関市)の東アジア文化研究所の初代所長になった。「学問は一代ではダメ。続かないといけない。いろいろな研究者を育てていきたい」と目標を語る(白井伸洋))
「読売新聞」2011.12.11韓国、中国などの東アジア文化を中心に、人文・社会科学を含む分野を研究対象にし、研究成果を発表する。
「山口新聞」(2011.12.14、2012.2.6「月曜インタビュー」)
 
発行人崔吉城
ホームパージhttp://www.geocities.jp/dgpyc081/〒751-8503山口県下関市一の宮学園町2-1東亜大学2号館7階
http://www.toua-u.ac.jp/index.htm 代表電話:083-256-1111

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